パイプスモーキングの醍醐味は様々な個性のtobaccoの味わいが楽しめることです。
あまりに種類が多く、味わいや特徴が忘却の彼方に消えてしまったものも多々あり
自分の備忘録のためにテイスティングノートをつけ始めました。

パイプ葉は個人の嗜好性や飲み物、時間帯、体調、パイプによってもかなり変わります。
なるべく主観に流れないように書くよう注意は払っているつもりですが、あくまでも参考程度にされてください。お役に立てれば幸いです。
ついでにシガーやRYO、ウイスキーについても少し触れています。

2014年12月19日金曜日

Bill Bailey's BALKAN Blend




ビル・ベイリーズ・バルカン・ブレンド
使用葉:ヴァージニア、ラタキア、オリエント(トルコ葉)、ペリク、ケンタッキー
着香なし
原産国:ドイツ
価格:1800円/50g(2014)


「バルカン」の3つ目はその名も「バルカンブレンド」。
ドイツのDAN tobaccoの製品。元々はイングリッシュミクスチュアレシピ。

開缶すると、ラタキアの薫香と白檀のお香が広がる。他にレーズンのような香りと古い屋敷の応接間のような木の香り。
葉様はやや乾燥気味のミクスチュア。リボンカットはとても長い。
ペリクがブレンドされている。カタログにはルイジアナ・ペリクと書いてある。だとすれば正真正銘のペリク。ケンタッキーも併記しているのでおそらく双方をブレンドしてペリクライクな風味を稼いでいるのかも。
一見してラタキアの印象がとても強い。一応アナウンスでは40%らしいが50%は超えている感じ。

火付き、火持ちともに良好。ちょっと乾燥していたので、一晩軽く加湿してから火をつける。

序盤、ラタキアが喫いたいと思う期待にドンピシャで答えてくれる濃厚でストイックなアロマと喫味が広がる。スロースモーキングを心がければヴァージニアの甘みがほのかに広がる。カタログでは「上質なヴァージニア」とある。サミュエルガーウィスのヴァージニアに比べると奥行きも広がりも乏しい印象。

中盤、ヴァージニアの甘みが引っ込んでさらにストイックに。オリエントのふんわりねっとりとしたアロマが頭をもたげてくる。ところどころコーネル&ディールのアダジオに似てくる。考えてみればブレンドの内容が近い。


終盤はあまり好ましくない。タバコっぽさが増し、かなり気を使っても辛味とエグみが増す。ヴァージニアへのペリク肝心の喫味への影響があまり感じられず、割合的にかなり少ないなあと分かる。ラタキアにしてもアダジオで感じたような明確な主旋律が聞こえてこないままフィニッシュを迎える。

見た目ストイックで荒々しい印象だが見た目ほど強くはない。クライマックスをどこに求めたら良いかちょっと分かりにくいというか、焦点が定まらない感じがする。
ヴァージニアとオリエントがもっと来て欲しいと思うところでなかなか来ない。それがどこか無味乾燥で大雑把な印象を与える。掘り下げようと工夫するのだが底付きが早く、その底はとても乾いていて堅い。

これはヴァージニアの品質あるいはストーブの問題ではないだろうか。どこか適当なところで妥協してしまっている。
価格に比してのブレンド内容は悪くない。イングリッシュミクスチュアを忠実に表現しようとはしている。が、結局のところ「最初の方だけ」というコンチネンタルミクスチュアに共通する限界が見え隠れする。

決して不味いtobaccoではない。ラタキアの喫味は存分に楽しめる。出だしはとても良い。ヴァージニアの甘みやアロマの変化など求めずオリエントを2割増しで加えてみたらきっとぐっと深みを増すのではないか。バランス的に惜しい、そんな風に思わせる葉だった。

舌荒れの可能性は中程度。時間帯は夕食後〜深夜。合う飲み物はウイスキー。

  1. 生葉芳香 弱←○○○○○○★○○→強
  2. 甘  み 弱←○○○★○○○○○→甘
  3. 味の濃淡 淡←○○○○○○○★→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○○★○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○★○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○○★○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○○★○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○★○○→良
  9. 常喫可能 無←○○○○○★○○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○○★○○→強







0 件のコメント:

コメントを投稿