パイプスモーキングの醍醐味は様々な個性のtobaccoの味わいが楽しめることです。
あまりに種類が多く、味わいや特徴が忘却の彼方に消えてしまったものも多々あり
自分の備忘録のためにテイスティングノートをつけ始めました。

パイプ葉は個人の嗜好性や飲み物、時間帯、体調、パイプによってもかなり変わります。
なるべく主観に流れないように書くよう注意は払っているつもりですが、あくまでも参考程度にされてください。お役に立てれば幸いです。
ついでにシガーやRYO、ウイスキーについても少し触れています。

2015年1月22日木曜日

Samuel Gawith Best Brown Flake




サミュエルガーウィズ・ベスト・ブラウン・フレーク
使用葉:ヴァージニア、無着香
原産国:イギリス
価格:1900円/50g(2015)

葉様はやや暗い赤みを帯びたブロークンフレーク、フレークだが柔らかく持ち上げればもろもろとほぐれる。香りはヴァージニアのほの甘く柔らかい香りのみ。

火付き、火持ちはサミュエルガーウィスのフレークの中では例外的に良い。ほとんど気遣いは要らない。

序盤、最初の一喫目から、ライト&スムーズだということが分かる。それでいてヴァージニアの優しい甘みとサミュエルガーウィスらしい芳しいアロマが立ち上る。

中盤、マスカットの爽やかさといちじくの甘さ。葉が柔らかいため、ゆる詰めだと燃焼による葉の盛り上がりが大きく、火持ちを良くするためにはこまめなタンピングが必要だが、一度冷やして再点火した葉もまた違ったアロマと喫味を出して美味いので、火持ちはあまり気にしないほうがいい。

終盤に近づいてややアロマに青臭さが増し喫味もシガレットのようなエグみが顔を覗かせてくるが、ライトさは変わらない。エグみに交じって甘さはしっかりと下支えしてくれている。上品で節度ある甘さだ。いつまでもこれを味わっていたいと思わせてくれる。この底力がサミュエル・ガーウィスらしい。

ところでこういうシガレットライクなエグみを持つ葉を「ヘイタイプ」と呼ぶのだそうだが、このヘイタイプという言葉は何かを誤解させる感じがしていつも耳目にしっくり来ない。
「ヘイ(干し草)」の芳香にも乾燥や発酵度合いでいろいろあって一様ではないし、そもそも現代の日本の都会で暮らしている我々が干し草を引き合いにtobaccoを語る事自体リアリティに欠ける気がする。
例えば同じヘイタイプとされる、先に触れたマクバレンのヴァージニアフレークとはその喫味もアロマも似ても似つかない。
エグみやルームノートの第一印象は確かにシガレットに近いかなと思わせるが、味わえば味わうほど遠くなる。干し草やシガレットと比べるよりも、ベストブラウンフレークは同社の他のヴァージニアと比較したほうがよりその輪郭がはっきりする。

サミュエルガーウィスには、フルヴァージニア、ゴールデングロウ、そしてこのベストブラウンと3つのヴァージニアフレークがあって、それぞれ喫味、アロマとも個性が分かれる。
喫味が一番ストロングなのはフルヴァージニア、中間がゴールデングロウ
そしてもっともライトなのがベストブラウン。
フルヴァージニアは喫味はストロングでハマると深い味わいを持つ。アロマが若干わかりにくくそっけない部分もある。アロマがもっとも強いのはゴールデングロウ。青臭さを持ちながら時間と共に劇的な変化を起こす。
ベストブラウンフレークのアロマは、果実のような瞬間もあり、またシガレットの様な瞬間もあり、また若干の透明感を感じる。

舌荒れの危険性はヴァージニアの宿命でややあり。
ニコチン酔いの心配は要らない。
合う飲み物はウイスキー、コーヒー、水など。
時間帯はオールタイム。


  1. 生葉芳香 弱←○○★○○○○○○→強
  2. 甘  み 弱←○○○○○○★○○→甘
  3. 味の濃淡 淡←○○★○○○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○★○○○○○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○★○○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○★○○○○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○○★○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○★○○○○→良
  9. 常喫可能 無←○○○○○○★○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○★○○○○→強



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