使用葉:ラタキア、ヴァージニア、オリエント
原産国:アメリカ
価格:2850円/57g(2015)
Lagondaとは戦前イギリスの名車の名前です。アストンマーチンに買収されてからはアストンマーチンの車種の一つとなり、戦後しばらくして「アストンマーチン・ラゴンダ」の名前で復活したこともあります。
缶にも往年の名車(1920〜1930年代の一バージョン)と思しきイラストが描かれており、真性のクルマ好きにはたまらないものになっています。そんなわけで僕もジャケ買い(死語)したのでした。
葉様はラタキアのせいで濃いのですが、前述のラタキアNo.1ほどではありません。やや固め、小さめのリボンカット。
薫香は素晴らしく、奥行きのある複雑な酸味と発酵臭を伴うものです。最初は「絶対にペリクが入っている!それも本当にベストの配合で」と思いましたが、カタログや海外のレビューを見ても、どこにもそんなことは書いておりません。
それだけキプロス産のラタキアの燻製ぶりが素晴らしいのでしょう。
葉はやや乾燥気味なので、開缶してすぐにパイプに詰めても、何の問題もなく火が安定します。この辺はアメリカ産の高級葉に共通する良さだと思います。
イギリス産はウェットなものが多く、それはそれでとても好ましいものですが、火を安定させるまでややコツが要るので手軽とは言い難いところがあります。
喫味は終始安定して素晴らしい薫香のアロマを提供してくれます。
ほのかな甘味を伴い、終盤に行くに従いどんどんクライマックスが高まっていきます。
爽やかさもあります。まるでソーダのように味覚を刺激し、しかしそれは決して甘ったるいものではなく、実に抑制の効いた、質の良いハバナのような郷愁に満ちた甘さです。
しかしやはりなんといってもこの葉の美点はアロマでしょう。
煙量を少なく保ってアロマを感じる時、パイピストであることの喜びを実感します。
スモーキングタイムが終わるのが実に惜しい葉です。
食後のウイスキーと共に、でも一日を通していつでも良い時間を過ごすことができます。
ニコチン感は軽め、舌荒れの心配は中ぐらいです。
価格さえもう少し抑えめなら、常喫葉として申し分ないのですが、そこだけが惜しいところでした。
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