パイプスモーキングの醍醐味は様々な個性のtobaccoの味わいが楽しめることです。
あまりに種類が多く、味わいや特徴が忘却の彼方に消えてしまったものも多々あり
自分の備忘録のためにテイスティングノートをつけ始めました。

パイプ葉は個人の嗜好性や飲み物、時間帯、体調、パイプによってもかなり変わります。
なるべく主観に流れないように書くよう注意は払っているつもりですが、あくまでも参考程度にされてください。お役に立てれば幸いです。
ついでにシガーやRYO、ウイスキーについても少し触れています。
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2015年5月24日日曜日

新・桃山(Momoyama)


桃山
ヴァージニア、ブラックキャベンディッシュ他
原産国:日本(デンマークOEM)

2014年暮れからパッケージやレシピが変わり、新しい「Momoyama」になりました。以前は名称の最後にあったバージョン名の「II」が消えています。

発売前のサンプルインプレッションで「より甘くなった」という声を聞いていましたが、僕の印象では甘くなったというより、ややパンチが出て香りが自然に近づいたという印象の方が強いです。
またヴァージニアのリボンカットが以前より質が上がり弾力と長さ、湿り気を感じます。

タバコ屋さんに行くと桃山は「イングリッシュミクスチュア系」として売られていますが、「II」はれっきとしたコンチネンタル系着香tobaccoのひとつでした。

それが「新」になってやや自然な香りになり、確かにイングリッシュ系に近づいている感じはします。着香はラムと言われていますが「II」ではラムというよりは糖蜜系の香りが支配していました。「新」ではこの糖蜜系の香りが抑えられて、代わりにほのかにバニラが加えられている印象があります。それが全体的に「甘さ」という印象を強めている気はします。

「II」は良くも悪くも「タバコ」という感じが否めませんでした。
しかし「新」ではヴァージニアの自然な甘みが確かに増しています。そして熟成感のあるアロマと喫味が中盤からどんどん顔を出してきます。「タバコ臭さ」が消えて満喫感が増し、「足りない」と思うことが「II」に較べてなくなりました。
ヴァージニアの品質向上もさることながら、オリエント葉の存在感が増えています。
惜しむらくはバニラ香が強くなったことで、喫味に少し酸味を伴う雑味が増えた事でしょうか。これは決して複雑さや旨さを提供するものではないだけに残念なところです。

火付き火持ちともに良く、全く気を使うことがありません。
相変わらず喫いやすいtobaccoです。

時間帯はデイタイム。


  1. 生葉芳香 弱←○○○○○★○○○→強
  2. 甘  み 少←○○○○★○○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○★○○○○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○★○○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○★○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○★○○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○○○★○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○★○→良
  9. 常  喫 無←○○○★○○○○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○★○○○○→強


2014年9月12日金曜日

桃山II (Momoyama II)




桃山II
バージニア他 着香
原産国:デンマーク
ブランド:日本(JT)

日本たばこ(旧専売公社)にはイギリス風ミクスチュアの「飛鳥」とコンチネンタル風着香系ミクスチュアの「桃山」という二つパイプたばこがあった。

現在も、デンマークのマクバレン社のOEMで販売が続けられて、それぞれ「飛鳥II」「桃山II」という名前になっている。

2014年11月から桃山は「桃山III」にモデルチェンジするというので、その前に「II」を味わっておきたいと思う。

葉様はリボンカットのミクスチュア。開封した瞬間、甘い洋酒漬けのような芳香が広がる。「ん?」と思い当たり注意深く嗅いで見る。

SweetDublinとよく似ている。似ているがもっと華やかで明らかに着香系という感じだ。

補足情報を求めて複数のテイスティングのサイトを巡ると「ラム着香」という言葉に複数つき当たる。

先入観を持って嗅げば確かにラムと言えなくもないが、ラム酒好きの僕からするとこれを「おお!ラムだねえ」と言うのはちょっとはばかられる。

桃山IIのこれは、ラムといってもおそらく廃糖蜜によるスピリッツとカラメル、フルーツ香料による着香と思われる。まあ、それでもウソにはならないのだが、ゴールデンバットにせよ桃山にせよ「ラムの香りがします」と軽々しく表現はできない。

ただしこの洋酒的な芳香は決してけれん味のあるものではなく、他の着香系tobaccoに比べたらよく抑制の効いた穏やかな感じで好感が持て、燻らした時のアロマにその特徴がよく現れる。

火付きも火持ちも申し分ない。ほぐしも馴染ませも要らず、無造作にパイプに詰めても何の苦労もなく喫える。

序盤はやや複雑なアロマが支配する。干し草、カラメル、ぶどうの香り。煙量は多めだが、総じてマイルド。
喫味はとても軽い。軽いというより、第一印象は「味がない」である。バージニアの甘さを期待するとやや肩透かしを食らうかもしれない。

中盤は、如何にもタバコらしいアロマに変化してゆく。喫味にも「当たり」のゴールデンバットを燻らした時のような、微かだがキレのよい甘さが出てくる。
時折ほのかな酸味が顔を覗かせる。

スピリッツによるケーシングの良さが現れるのはこの辺で、とてもバランスの良い熟成感が喫味とアロマの両方からじわりじわりと顔を出してくる。

終盤は早めにやってくる。アロマは相変わらず好感が持てるが、喫味の方はエグみ、辛味が支配し始め、舌荒れの予感が迫る。この辺は他のコンチネンタル系のミクスチュアと同様。
ニコチン酔いの危険性はない。舌荒れはややある。パイプは大きめのものがおすすめ。

良くも悪くもマクバレンのtobaccoだが、日本人好みの優しいtobaccoであるとも言える。
総じてアロマが朗らかで良い。タバコらしさを失わず明るい感じだ。半面喫味の奥行きはない。奥行きはないが飽きもこない。逆を返せば喫味に余計な味がない分、初めてパイプを始める人のための導入tobaccoとしても優れていると思う。チェーンスモークも全く抵抗がない。

これがもし、もう少し生葉の着香を抑え気味にして、バージニア本来の甘みが少しばかり増したらもっと素晴らしいtobaccoになるに違いない。
桃山IIIへのモデルチェンジがそうであるように願う。


時間帯は朝〜昼。
合う飲み物は水、紅茶、コーヒー。

1290円/50g(2014)

  1. 生葉芳香 弱←○○○○○★○○○→強
  2. 甘  み 少←○○★○○○○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○★○○○○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○★○○○○○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○★○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○★○○○○○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○○○★○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○★○→良
  9. 常  喫 無←○○○○○★○○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○★○○○○→強



2014年8月22日金曜日

GoldenBat



ゴールデンバット
バージニア葉
喫煙時間:標準約7分、RYO約13分

ゴールデンバットは現存する日本最古の銘柄だ。100年はゆうに超える。
あっさりしたバージニアの甘い香りとすっきりとした味わい。
ピースのそれに比べればずっと淡白で辛味が勝つが、軽い分飽きのこないキレの良い喫味を楽しめる。
フレーバーは一般にラム酒と言われているが詳細は不明。

葉様はピースに較べてずっと細かく粉砕されており、葉色が明るくまるでオリエント葉のようだ。
1級葉を使用しているものはファインカットに近いが、しんせいやゴールデンバットなど3級葉を使用しているものは葉脈部分が多く、時折粉寸前のものがあったりする。この特徴はしんせいにも通じる。

葉詰めの密度は、他の巻きタバコに較べてずっと荒い。
この辺がゴールデンバットを個性あるtobaccoにしている要因でもある。

個人的には学生時代、一番お世話になったtobaccoでもある。
残念ながら当時のものとは巻きもパッケージも値段もすっかり変わってしまったが、味だけは当時とさほど変わっていないのが嬉しい。

30年前、ゴールデンバットは20本入り70円だった。当時のベストセラーであるセブンスターが180円だったから、当時としてもかなり破格だった。

破格故「くずタバコ」などと悪口を言われてもいたがとんでもない話で、ピースを選ぶかゴールデンバットを選ぶかは、単純に自分のふところ事情だけで、本当にうまいタバコであった。

というよりゴールデンバットの良さを分かるという事自体、ゴールデンバット愛好者だけが共有できる誇りといえるかもしれない。


「国民のタバコしんせい安くて量がある」という何かの替え歌をべろんべろんに酔っ払う度に歌っていた体育会系なノリを、ゴールデンバット喫いの変人達はふふんと一笑していた。

というのも、ゴールデンバットは一日一箱単位で買えるタバコではなかったからだ。
努力と智慧がないと愛用できない。
しんせいは運が良ければその辺のタバコ自販機で買えない事もなかったが、ゴールデンバットは当時供給がとても不安定で、毎週水曜日に街の一番大きなタバコ屋にて一人4箱ずつしか購入できなかったのだ。
4箱じゃ4日ももたないじゃないか!

そこで変人共(資本なし)は考えた。下宿のヒマな住人達を集めて夜な夜な麻雀をやる。バット愛好者は揃って麻雀が強かったので、負けた連中への貸しをチャラにしてあげる代わりに、水曜日に一緒にタバコ屋の前に並ばせる。かかるのは一人280円。8人並んで32箱、これを4人でわけあってもどうにか一週間は持つ。そうしてコツコツ確保したゴールデンバットのストックは常時100箱を超えた。
その100箱を好きな時に実費で分け合う。
もっとも下宿の住人達はみんな友情に厚かった(ヒマだった)から、麻雀なんぞ勝っても負けてもやらなくても並んでくれた。

この70円の名品こそが、僕に「吹かし(口腔内喫煙)」で味わうタバコの旨さを教えてくれたのであり、パイプや葉巻への入り口となったtobaccoでもある。



そんな訳で、RYOで喫おうがどうしようが結構どうでもいいのだけれど、やはりせっかくだからヘンプで巻き直してみよう。
上段:RAWの無漂白ヘンプ
中段:オリジナルのバット
下段、RAWで巻き直したもの
使用するのはRAWの70mm、無漂白のヘンプペーパー。
バットは葉詰めが荒いので、70mmローリングマシンにセットしても十分に間に合う。
昔のバットはちょうどこの手巻き70mmと同じレギュラーサイズの細巻きだったので、昔のサイズに戻すという事になる。
詰めは少しだけきつくなるので、過燃焼が防げて味にやや甘みが増す。
バットのキレの良い旨味が強調されてなんとも心地よい。
なんといってもただでさえ短いバットの喫煙時間が10分を超えるのが嬉しい。

バットの喫い方は、肺に入れずに口の奥の方で味わうのがいい。
例えばパイプをゆっくり燻らしている時間が無い時、何かに集中している時、知的作業のパートナーになってくれる。
そして、チェーンスモークがよく似合う。

惜しむらくはパッケージデザインの改悪だ。ピースにせよこのような歴史的文化的に残す価値のあるデザインは決してくだらない警告文を載せるために変更してはならない。さっさと元のデザインに戻すべきだ。

210円/20本入り(2014)


  1. 生葉芳香 弱←○○○★○○○○○→強
  2. 甘  み 少←○○○○★○○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○○○★○○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○★○○○○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○★○○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○★○○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○★○○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○○★→良
  9. 常  喫 無←○○○○○○○○★→有
  10. 個  性 弱←○○○○★○○○○→強

2014年7月31日木曜日

Short PEACE (RYO)



ショートピース
バージニア葉
喫煙時間:標準10分、RYO約18分

ピースでRYO(Roll Your Own 手巻きのこと)
と言っても、日本たばこがRYO用の葉を出してくれた訳ではない。
もちろん出して欲しい。今すぐにでも。

ペリクのような香りと味わいを持つ高品質なバージニアの甘い香りと蜂蜜フレーバー、こっくりとしたアロマなど、現在日本で生産されているtobaccoの中では間違いなくNo.1の旨いシガレットだと思う。ちなみによく「バニラ」の香りと言われるがバニラの香りはしない。むしろパチュリやカモミールなどフローラルのブレンドされた芳香に近い。


惜しむらくは、巻紙のせいでせっかくの味わいがかなりスポイルされているということだろうか。
市販のシガレットを公害にしている元凶はアセテートフィルターと紙だ。特に紙が燃える臭いは味を損なうばかりでなく、同じ喫煙者同士でも隣で吸われてイヤな気持ちにさせられる最大の原因となる。吸ってなくてもタバコ臭い。服もタバコ臭い。それは主にパルプ紙によるところが大きい。

ピースは両切りなのでフィルターはない。また巻紙もヘンプ(麻)の割合が高いペーパーを使っている……という話だが、それでも紙臭い。吸い殻もしっかり臭い。


それで僕はピースの巻紙を取って、100%ヘンプペーパーで巻き直して喫している。

とは言っても、市販シガレットの葉は非常に細かく裁断されていて、一度バラして巻き直すのはとても手間がかかる。ローリングマシンを使わないとほぼ不可能。

そこでローリングマシンを使ったピース巻き直しのコツを紹介したい。この方法を使えば、1分もかからず巻き直しができ、格段に旨いピースを味わう事ができる。

用意するのは、79mm用のローリングマシン、ヘンプ100%の79mm用ペーパー(写真ではピュアヘンプの無漂白を使用)、カッターナイフ。
まずピースをマシンにセットする。ピースは70mmタバコなので長さが若干余る。なぜ70mmマシンにセットしないのかというと、市販のシガレットは機械巻きのためにかなりきっちり詰められているため、70mmペーパーだと余分が出てしまうからだ。79mmペーパーで巻くとちょうどよい。

次にセットしたピースの巻紙をカッターナイフで切る。
その時注意するのは、なるべくタバコ全体の形を崩さないように紙だけ切っていくこと。タバコを抑えながら切ると良い。
全て切れたら、巻紙だけを下から引き抜く。
この時もなるべくタバコの成形が崩れないように、葉全体を抑え、回しながら引き抜く。
少しバラけているが、ちょうど79mmサイズに収まる。

ペーパーをセットして巻く。

上が巻いた状態。下は元のピース。
紙の厚みが全く違っていて、中身が透けているのが見える。

ピースをピュアヘンプでRYOにすると、喫味はマイルドになりアロマが強く濃厚になる。
燃焼速度が落ちるので、バージニア本来の自然な甘みをしっかりと味わえるようになる。
紙の燃える臭いはほぼ解消され、爽やかな芳香だけが鼻に抜ける。

ピースをヘンプペーパーで巻き直す理由、メリットの中で最も大きいのは、燃焼速度が落ちるという点だ。市販の状態のタバコはフリーバーニングといって、ほっといてもどんどん燃えてタバコがなくなってしまうまで燃え尽きるように巻紙ができている。これだとスローバーニングができず、タバコ本来の味を味わう事がとても難しい。喫煙時間も頑張って10分程度だ。
これを燃焼補助剤の入らない手巻き紙に替えるだけで、15〜20分まで延びる。吸わなければ自然に火は消える。

これをさらに長めのシガレットホルダーに挿して喫すると、ドライ&スローがてきめんに効いて今まで全く気づかなかったピースの旨さを味わえるようになる。

シガレット喫煙者の多くは、増税や禁煙政策で高くなってしまったタバコを、安いものや軽い物に替えようとする人が大半だ。
喫煙は病気であるというスローガンの影響でまるで犯罪者のように縮こまってしまっている。自分と嫌煙者をまるで敵のように見てしまう人さえいる。

でもちょっと待って欲しい。

まずタバコとは紙もフィルターもなしで喫するのが本来の姿だった。
タバコは不特定多数のいる場所で吸うものではなかった。
時間のない時に吸うものでもなかった。
歩きながら吸うものでもなかった。
肺に入れて吸うものでもなかった。
本来は、思考と瞑想の手助けをしてくれる大切なアロマの草であった。
神聖な儀式の道具であった。
タバコを喫するには、時間と神聖な場所が必要だ。

だから、ニコチンが0.1mgなどというただの燃え草をせわしなく隔離室で吸わされて欲求不満になるのではなく、上質で強いtobaccoを味覚と誇りを取り戻して自分の書斎やバーのカウンターでゆっくりと味わったほうがずっと幸せだ。

それを実現するにはまずフィルターを取り払い、肺喫煙をやめてみる。
「吹かし」に抵抗があるなら、煙管タバコのように鼻腔内喫煙を試してみる。
そうすればタールやニコチンの量に囚われることがなくなってくる。
そして低品質な紙を燃やすのをやめてみる。
その第一歩を踏み出せるtobaccoがショートピースだ。
そしてさらに、できればRYOで。

シガレットだって趣味になる。
それだけでタバコに対する渇望がなくなる。
喫煙場所を探して彷徨わなくてもよくなる。
なぜ自分がタバコを吸うのか、変な理由をつけなくて済むようになる。
喫煙者か非喫煙者かというようなカテゴリーで自分を見なくて済むようになる。
喫煙は病気ではない。
喫煙とは趣味だ。
思考と瞑想の盟友である。


240円/10本(2014年)


  1. 生葉芳香 弱←○○○○○★○○○→強
  2. 甘  み 少←○○○○○★○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○○○○★○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○★○○○○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○★○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○★○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○★○○○○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○○★→良
  9. 常  喫 無←○○○○○○○★○→有
  10. 個  性 弱←○○○○★○○○○→強