パイプスモーキングの醍醐味は様々な個性のtobaccoの味わいが楽しめることです。
あまりに種類が多く、味わいや特徴が忘却の彼方に消えてしまったものも多々あり
自分の備忘録のためにテイスティングノートをつけ始めました。

パイプ葉は個人の嗜好性や飲み物、時間帯、体調、パイプによってもかなり変わります。
なるべく主観に流れないように書くよう注意は払っているつもりですが、あくまでも参考程度にされてください。お役に立てれば幸いです。
ついでにシガーやRYO、ウイスキーについても少し触れています。
ラベル Samuel Gawith の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Samuel Gawith の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年7月23日木曜日

Samuel Gawith Fire dance flake




サミュエルガーウィズ・ファイヤダンスフレーク
原産国:イギリス
使用葉:ヴァージニア
着香:ブラックベリー、ブランデー他

フレークの喫し方については国の内外を問わずブログでも動画でも諸説フンプンいろんな自説が紹介されています。僕もこれまで散々もっともらしいことを書いてきましたが、結局は四つ折りにしてボウルにねじり込んで火付きや火持ちを気にしないフリをして喫う事が一番多いのです。ほぐすのもめんどくさいし。

こうして喫うフレークの利点は、まずはボウルが長持ちするという点です。普通のミクスチュアならせいぜい1時間、フレークは半日近く詰めっぱなしということも珍しくありません。もっともそれは火持ちの悪さによってブロー&ドローをサボればあっという間に消えてしまって火が点いていない時間の方が長いという前提付きですが。

ですが、よく考えれば一日咥えていた時代のパイプの喫い方はこんなものではないでしょうか。火を付けて一服するけれど、その時間はせいぜい数分。
ほっとけば立ち消え。
仕事に戻る。
次の休憩や思い出した時にまた火をつけて数分(数服)。

もちろん火持ちの良いフレークもあるし、火持ちが良くなくても火持ちを良くして何十分も燻らせることもできなくはありませんが、ミクスチュアのようにあんまりスパスパやっているとあっという間に舌荒れを起こしてしまいます。

僕のような絵描きにとっても、制作に夢中になっていると、いつまでも火が消えないミクスチュアなどは、過燃焼を起こして舌荒れに泣かされます。
その点フレークは。意識しないでいると火が消えてくれますから、手を休める都度火を付けてインターバルを取れるし、制作中に葉を詰め替える手間暇に集中力をそがれることもなく、そういった点ではとても助かっています。



さて、ファイヤダンスフレークは、サミュエルガーウィズのフレークの中では珍しい着香系のフレークです。開封するとベリー系の甘い香りが漂います。
と言ってもあくまでも自然なもので、他のヨーロッパ・アメリカ系にあるようなチューインガムやチョコレート系のそれとは全く違うもので好感の持てるものです。

生葉の形状はフレークですが、他のサミュエルガーウィズのフレークよりスライスが薄く、少し脆くなっています。一枚をパイプに詰めてもいっぱいになることはなく、大きめのパイプだと半分ぐらいしか埋まりません。

火付き、火持ちはサミュエルガーウィズのフレークの中ではかなり良い方です。
喫味はとてもマイルドです。ほのかな甘味はヴァージニア由来のもの。燻らす煙からもほのかにベリーのアロマが漂います。
満喫感もそれほどでなく、バイト(舌荒れ)もヴァージニア単独としては少ない方だと言えるでしょう。

サミュエルガーウィズのフレークは本格的なものばかりですが、半面火持ちや詰め方にコツの要るもの、そして味もややベテラン向きのが多いのですが、このファイヤダンスフレークは、初めてサミュエルガーウィズのフレークを試してみたいという人にとってはかなり良い選択になるのではないでしょうか。

ただ、ヴァージニアとして喫うにはややパンチ不足、キャベンディッシュとして喫うにはまだ生っぽい、ちょっと中途半端なところもあります。
この葉の肝はルームノートではないかと思います。控えめでありながら甘く艶っぽい香りは女性的ですらあります。
この葉がとある女性パイピストのために作られたというエピソードにもうなずけます。

生葉のフルーティな香りとアロマを味わいつつ、軽いアルコールと一緒に喫うのが向いています。
合う飲み物はビール、カクテル。時間帯は夕方〜。

  1. 生葉芳香 弱←○○○○○○★○○→強
  2. 甘  み 少←○○○★○○○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○○○★○○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○★○○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○★○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○★○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○○★○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○★○○○→良
  9. 常  喫 無←○○○○○★○○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○○★○○→強


2015年7月3日金曜日

Samuel Gawith Skiff Mixture






サミュエル・ガーウィズ・スキッフ・ミクスチュア
原産国:イギリス
使用葉:ヴァージニア、ラタキア、オリエント


中野にもここ数年ショットバーがずいぶんと増えてオーセンティックを目指すところもちらほら。
そんな中のとある蔵酒の種類の多さを売りにしている小さなバーに入った時のことでした。
美味いウイスキーを二杯ほどいただいたところで気分も良くなりパイプを取り出すと、間髪を入れずにNGを出されてしまいました。
マスター曰く、換気の問題で紙巻きタバコは良いが葉巻とパイプはお断りとのこと。
もちろんにこやかに従いパイプを収めましたが「ああ、このバーはダメだな」と判断して早々に退散しました。

そのマスターはまだ若いですがウイスキーの利酒や歴史にとても拘り知識も豊富な様子。しかし基本的なことを分かっていない。
何かというとまず、タバコの中でもっとも煙量が多く空気を汚すのは、葉巻(シガー)でもパイプでもなく紙巻きタバコであるという点。
次に、酒の味と香りを濁して台無しにしてしまうのは、葉巻(シガー)でもパイプでもなく紙巻きタバコであるという点。
最後に、上質なウイスキー、特にスコッチは無煙でテイスティングするだけでなく、パイプやシガーと切っても切れない味覚のペアであるという点。

いくら酒の事を語れてもシガーやパイプのことを知らなければ、その知識は知識の牢屋から出ることはできない。

ワインと違ってウイスキーはストイックなグルメ志向や健康志向などのスノッブ感覚では何にも楽しめないものです。ワインや出汁を嗅ぎ分ける敏感な味覚のみで素人テイスティングをやってしまえば、いずれ日本で飲まれるウイスキーは山崎やボウモアばかりになってしまうでしょう。なぜアードベッグやラフロイグがあの味で長年飲まれてきたのか、このバーテンはもう少し勉強する必要があると思います。
まあ、とにかくショットバーでシガーやパイプを断られるというのは初めての体験でした。

さて、そんなウイスキーに似合うパイプ葉といえばイングリッシュミクスチュア。そしてその中でお気に入りのひとつがサミュエルガーウィズのスキッフミクスチュアです。
前に取り上げたスクアドロンリーダーととても良く似たブレンドですが、スクアドロンリーダーはほのかにリコリス系の着香があり、オイリーな中にも爽やかな後味がありましたが、スキッフミクスチュアは加香が全くされていない上にオリエントの配合がさらに多くヴァージニアが少なく、クラシカルかつハードボイルドな印象です。

生葉の香りはむんとしたオリエントとラタキアの香り、やや細かいリボンカット。
ややモイストで着火にコツは要るものの、火持ちは良好。
終始ラタキアとオリエントの主張が続きます。個人的にはラタキアがもう少し欲しいと思う事もありますが、全体的には過ぎず足りなくもなく余計な主張をせず淡々とtobacco本来の香りと向き合うことができるのは好印象です。

バルカンソブラニーの再来だと言う人もいます。僕はこれは正しい指摘だと思います。長いこと「バルカンブレンド」の定義や評判について悩んでいますが、バルカンをハードボイルドなオリエント系のミクスチュアとして見るならば、これほどミッドクラシカルな志向で常喫できるtobaccoはなかなかないのはないでしょうか。

味わいとか甘さとかヒントとかそういう小賢しい括りではなく、まとう煙の中でウイスキーと共にどんな服を着ていたら似合うのかを真剣に考える機会をこのtobaccoは与えてくれます。

しかしながらこのtobaccoはパイプ上級者にとっては到達点ではありません。
単なる道具です。
つまり「タバコなんてそんなこだわって薀蓄垂れてちまちま喫うもんじゃ無いだろ」という大雑把な事を言う男の煙が実は「正統派のイングリッシュミクスチュア」であり、着ているものは何のバリっと感もないが実は仕立てのスーツであった…という向きの常喫葉であると言えるでしょう。
スキッフミクスチュアを燻らす彼はまたこうも言うでしょう。「ウイスキーなんて、そんなポンコツなベロで薀蓄垂れてちまちま飲むもんじゃないだろ」

自戒。

合う飲み物はウイスキー、時間帯は夜。

  1. 生葉芳香 弱←○○○○○○★○○→強
  2. 甘  み 少←○○○★○○○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○○○○○○★○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○★○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○○○★○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○○★○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○★○○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○★○→良
  9. 常  喫 無←○○○○○○★○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○○★○○→強

2015年2月14日土曜日

Samuel Gawith Squadron Leader Tobacco




サミュエル・ガーウィズ・スクアドロン・リーダー
原産国:イギリス
使用葉:ヴァージニア、オリエント、ラタキア
価格:1900円/50g(2015)

とても爽やかでいながら濃い味わい、そしてリッチなアロマを持つtobaccoだ。味の中心となるのはヴァージニアの甘みとオリエントのコク。ラタキアは生葉の芳香とアクセント。

前回に書いたラットレー・レッド・ラバリーに較べるとはっきりした個性を持つ。
それはサミュエル・ガーウィズの全てのtobaccoに共通するのだが、深く濃いフレーバーと、爽やかでキレの良い甘みが同居しているところ、そしていつまでも包まれていたいと思わせる絶品のアロマだ。

生葉はやや大きめのりボンカット、ラタキアとオリエントの芳香、そして若干のリコリス風の香り。同社の他のミクスチュアにも時々ある、自然な甘い香り。

ややモイストな葉だが、火付、火持ち共にとても良い。
序盤、爽やかな甘みがとても美味い。ややメントールにも似た爽やかさ。しかしそれに反してアロマはオリエント特有の濃くてまとわりつくようなリッチなアロマが延々と主張する。
中盤、味、アロマ共に深みを増してくる。バター。
終盤はさらに少し熟成の進んだワインのような複雑な渋みとスムーズさ、そしてオイリーなとろみが強くなる。

味の爽やかさ、キレの良さに似合わずややリッチ&ストロングなところがあるのでニコチンに弱い人はやや注意。僕も2ボウルぐらいになると若干お腹いっぱいになる。実際のニコチンの量はさほどでもないとは思うので、オリエント特有のバターのようなアロマに酔うのかもしれない。舌焼けの心配は少ない。

一言で表現すれば、オリエントをしっかり味わいたい時のtobacco。しかしそれだけでなくラタキアで締めるところは締め、そしてヴァージニアの甘さもしっかり味わえるなんとも贅沢なtobaccoなのだ。

合う飲み物はウイスキー。時間帯は夜〜深夜。

  1. 生葉芳香 弱←○○○○○○★○○→強
  2. 甘  み 少←○○○○○★○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○○○○○○★○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○★○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○○○★○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○○★○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○★○○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○★○→良
  9. 常  喫 無←○○○○○○★○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○○★○○→強




2015年1月22日木曜日

Samuel Gawith Best Brown Flake




サミュエルガーウィズ・ベスト・ブラウン・フレーク
使用葉:ヴァージニア、無着香
原産国:イギリス
価格:1900円/50g(2015)

葉様はやや暗い赤みを帯びたブロークンフレーク、フレークだが柔らかく持ち上げればもろもろとほぐれる。香りはヴァージニアのほの甘く柔らかい香りのみ。

火付き、火持ちはサミュエルガーウィスのフレークの中では例外的に良い。ほとんど気遣いは要らない。

序盤、最初の一喫目から、ライト&スムーズだということが分かる。それでいてヴァージニアの優しい甘みとサミュエルガーウィスらしい芳しいアロマが立ち上る。

中盤、マスカットの爽やかさといちじくの甘さ。葉が柔らかいため、ゆる詰めだと燃焼による葉の盛り上がりが大きく、火持ちを良くするためにはこまめなタンピングが必要だが、一度冷やして再点火した葉もまた違ったアロマと喫味を出して美味いので、火持ちはあまり気にしないほうがいい。

終盤に近づいてややアロマに青臭さが増し喫味もシガレットのようなエグみが顔を覗かせてくるが、ライトさは変わらない。エグみに交じって甘さはしっかりと下支えしてくれている。上品で節度ある甘さだ。いつまでもこれを味わっていたいと思わせてくれる。この底力がサミュエル・ガーウィスらしい。

ところでこういうシガレットライクなエグみを持つ葉を「ヘイタイプ」と呼ぶのだそうだが、このヘイタイプという言葉は何かを誤解させる感じがしていつも耳目にしっくり来ない。
「ヘイ(干し草)」の芳香にも乾燥や発酵度合いでいろいろあって一様ではないし、そもそも現代の日本の都会で暮らしている我々が干し草を引き合いにtobaccoを語る事自体リアリティに欠ける気がする。
例えば同じヘイタイプとされる、先に触れたマクバレンのヴァージニアフレークとはその喫味もアロマも似ても似つかない。
エグみやルームノートの第一印象は確かにシガレットに近いかなと思わせるが、味わえば味わうほど遠くなる。干し草やシガレットと比べるよりも、ベストブラウンフレークは同社の他のヴァージニアと比較したほうがよりその輪郭がはっきりする。

サミュエルガーウィスには、フルヴァージニア、ゴールデングロウ、そしてこのベストブラウンと3つのヴァージニアフレークがあって、それぞれ喫味、アロマとも個性が分かれる。
喫味が一番ストロングなのはフルヴァージニア、中間がゴールデングロウ
そしてもっともライトなのがベストブラウン。
フルヴァージニアは喫味はストロングでハマると深い味わいを持つ。アロマが若干わかりにくくそっけない部分もある。アロマがもっとも強いのはゴールデングロウ。青臭さを持ちながら時間と共に劇的な変化を起こす。
ベストブラウンフレークのアロマは、果実のような瞬間もあり、またシガレットの様な瞬間もあり、また若干の透明感を感じる。

舌荒れの危険性はヴァージニアの宿命でややあり。
ニコチン酔いの心配は要らない。
合う飲み物はウイスキー、コーヒー、水など。
時間帯はオールタイム。


  1. 生葉芳香 弱←○○★○○○○○○→強
  2. 甘  み 弱←○○○○○○★○○→甘
  3. 味の濃淡 淡←○○★○○○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○★○○○○○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○★○○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○★○○○○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○○★○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○★○○○○→良
  9. 常喫可能 無←○○○○○○★○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○★○○○○→強



2015年1月12日月曜日

SamuelGawith Kendal Cream Delux Flake


サミュエルガーウィズ・ケンダルクリーム・デラックスフレーク
使用葉:ヴァージニア、バーレー
原産国:イギリス
価格:1900円

2015年最初に開封したのがケンダルクリーム。幕開けにふさわしい素晴らしい葉。

葉様は分厚いフレーク。香りは一言で言えば「生八ツ橋」。つまりは香りづけに少なくともトンカビーンズとシナモンが使用されていることは間違いない。さらにバニラの香りもほんのりするが、バニラそのものではなくラムやウイスキーのカスク香に近い。

火付きにはやや工夫が要るが、フレークがややブロークン気味なので極力フレークのままねじ込んで味わいたい。一度安定してしまえば火持ちはそう悪くない。フレークが厚く大きいので、パイプもボウルの大きめのものを選びたい。標準的な19mmボウルなら半分ぐらいでちょうどいい。

序盤、ねっとりとした煙とほんのりと甘いヴァージニアの喫味が心地よい。アロマはトンカビーンズのフレーバーがもわっと鼻腔を包む。時折きのこのような、山菜のような不思議なアロマが顔を覗かせる。

中盤、クリーミーさが出てきてケンダル「クリーム」の名前に得心のゆく味わい。サミュエルガーウィスの葉を味わう幸福を感じる。サミュエルガーウィスの葉でバーレーがブレンドされているものはこれ以外に味わった事がないが、元々バーレーがあまり好きでない僕でも素晴らしいと感じる。木の香りと華やいだ草花に包まれたような香りが交互に来た後で葉巻のようなアロマとルームノートが顔を覗かせ心地良い。

終盤、ややキックが強くなるが、濃厚でクリーミーな喫味は変わらない。バター、ナッツ、ブランデーケーキのようなこってりとした喫味と、それにも増してふくよかで複雑なアロマに酔いしれているうちに終了。満足感がかなり深い。

この葉は、他メーカーのどんな葉にもあまり似ていない。全体的なニュアンスは同社の1792フレークが一番近いが、パンチのある1792に較べてずっと洗練されていて、かつマイルドにも関わらず、アロマはより深くたっぷりとしていて底付きがない。

明らかにパイプ上級者のためのtobaccoで、喫う度にいろんな発見をする。本当にリラックスしたい夜に、好きなお酒と一緒にゆっくりと味わいたいtobaccoだと思う。

時間帯は夜〜深夜。合う飲み物はウイスキー、ブランデーなど。ニコチン酔いの可能性はややあり。舌荒れの可能性は低い方。

  1. 生葉芳香 弱←○○○○○○★○○→強
  2. 甘  み 弱←○○○○○★○○○→甘
  3. 味の濃淡 淡←○○○○○○○★○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○○★○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○○○★○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○○★○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○★○○○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○★○○○○→良
  9. 常喫可能 無←○○○○★○○○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○○○★○→強



2014年12月16日火曜日

Samuel Gawith Commonwealth



サミュエル・ガーウィズ・コモンウェルス
使用葉:ヴァージニア、ラタキア
原産国:イギリス
価格:1900円/50g(2014)
ド直球勝負のラタキアブレンド

ヴァージニアとラタキアが50/50のミクスチュア。
ダンヒル965と良く似たキャラクターを持つが、965の方はオリエント葉が配合されその分ラタキアが若干少なめになっているのに対して、コモンウェルスはオリエントは使われていない。

開缶するとラタキアの薫香がもわっと立ち上る。
リボンカットは太め、長めでとてもしなやか。上質なミクスチュアだとひと目で分かる。
火付き、火持ち共に申し分ない。

序盤、ラタキアの旨味と薫香が立ち上りながらマイルド&スムース。
中盤、ヴァージニア特有の甘みがぐんぐん増してくる。思ったよりはラタキアは主張しない。
終盤、喫味、アロマとも殆ど変化なく終了。甘みの余韻。

ダンヒル965に良く似たキャラクターだ。
単純に比較すれば、喫味の奥深さと甘やかな風味はコモンウェルスに、喫味のシャープさとアロマの豊かさはダンヒル965に軍配があがる。

特に終盤、葉がストーブされてからの差はかなりあって、喫味の方はコモンウェルスに使われているヴァージニアの質の良さがとても良くあらわれる。本当に素晴らしいヴァージニアだと思う。サミュエルガーウィスのヴァージニア特有の、淀みのない滋味ある甘みは気持ちをゆったりとさせてくれる。
ダンヒル965はそれ比べると、若干ヴァージニアの質が落ち雑味も多く、特に終盤の喫味を上手に引き出すのがとても難しく、うっかりすると惰性に陥りがちになる。

その分アロマの方は965はヴァージニアの弱さをオリエント(ターキッシュ)が補って余りあり、複雑さと新鮮さ、中庸を両立させた形容のし難いアロマを提供してくれる。これが僕が965をやめられない理由の一つになっている。コモンウェルスの方はアロマに特段の変化が起きず、終了のサインが全く分からないことさえある。逆に言えば素直な性格。

「バルカンブレンド」と称する人もいるし、カタログでは「バルカンソブラニー」と対比させている。ソブラニーはともかくこれをバルカンとするならダンヒル965もバルカンと呼んでいいだろう。そして965の方がよりエキゾチックである。
故にコモンウェルスがバルカンかどうかはどうでもいい。むしろ純粋かつ上質この上ない典型的なイングリッシュミクスチュアだ。そしてそれでいいと思う。ラタキアがヴァージニアの甘みを、ヴァージニアがラタキアの旨味を最大限に引き出してくれているのだから。同社のGrouseMoorや、Perfectionよりもさらにヴァージニアを楽しめる直球勝負のtobaccoだ。


時間帯は夕刻から夜。
舌荒れの可能性は中程度、ニコチン酔いの心配はない。
合う飲み物はウィスキー、水、コーヒー。



  1. 生葉芳香 弱←○○○○○○★○○→強
  2. 甘  み 少←○○○○○★○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○○○○○○★○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○★○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○★○○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○★○○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○○★○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○★○→良
  9. 常  喫 無←○○○○○○★○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○★○○○→強






2014年12月8日月曜日

Samuel Gawith BALKAN Flake



サミュエルガーウィズ・バルカンフレイク
使用葉:バージニア、ラタキア
原産国:イギリス
価格:1900円/50g(2014)


生葉の芳香は爽やかでややピート香。カルダモンや胡椒のような芳香も感じる。ラタキア特有の香りは抑えめでバージニアのストーブの香りが勝っている。葉様はモイスト。

火付き、火持ちは申し分ない。サミュエルガーウィスのフレークの中でもSt James Flakeにもまして火持ちは良いほうだと思う。ほぐさずにフレークのまま折って捻って詰めるのが風味も壊れなくていいと思う。

序盤、スムーズ&ライト、そして爽やか。ラベルに「Deliciously Cool」とあるが芳香も喫味もクールだ。ラタキアのキャラクターはそれほど強くなくピート香に似たアロマ。スコッチを連想させる。
ほんのりとした甘みも感じるが、ラタキアブレンドの範囲内。

中盤、爽やかなスパイシーさに交じって甘みが少しづつ増してくる。アロマはそれほど個性のあるものではないが少しずつラタキアのキャラクターが増してくる。

終盤、それまで無個性に近かったアロマにラタキアの薫香と発酵香がどんどん顔を出してくる。しかしあくまでも爽やかで軽やかな甘さは失われない。いや、そもそもこれはラタキアなのか?

このレビューは初冬に書いているが夏向きのtobaccoだと思う。やや涼しくモイストな避暑地の木陰を散歩したくなるようなそんなイメージ。

ところでなぜ「バルカン」なのだろう。ネット上では「バルカンソブラニー」という伝説のtobaccoがその名付けの大元であるという情報が多い。しかしソブラニーのルーツがバルカン半島だからバルカンであるという話もあくまでも「そういうお話」であって、バルカンスタイルの理由を特定するための定説ではない。

スタイルとしてはラタキアとオリエント(主にマケドニア産)、バージニアのミクスチュアをそう呼ぶというが、そうであればイングリッシュミクスチュアの多くはバルカンスタイルになってしまうし、そもそもフレークでバージニア+ラタキアのみの「BALKAN」の説明にはなっていない。
故にバルカンスタイルの定義は未だ非常にあいまいなまま適当だ。

僕も適当なことは書きたくないので断定はもう少し調べてからにしたいが、「バルカンブレンド」という呼び名はもっと古くオーダーミクスチュアの時代に既に存在していたという不確かではあるが得心のゆく情報と自分なりの推測を元に、サミュエルガーウィズのレシピにはもっと確かで理屈の合う意図があると踏んでいる。

BALKANフレークの個性として押さえておきたいポイントとしては

  1. サミュエルガーウィズ(SG)のフレークの中でとりわけ爽やかなスパイスイメージがあること。特に胡椒やカルダモンのヒントは強い。
  2. 生葉芳香に、他のSGの葉にはない「ピート(泥炭)香」がすること。ストーブにピートを使っているのはほぼ間違いないだろう。
  3. 逆にラタキアの個性に乏しいこと。
  4. レシピにオリエントが含まれていないこと。

がある。

事実だけ見ればスパイスもピートもバルカン半島には全く関係ない。
ラベルにはエーゲ海を中心にギリシャからトルコにかけての地形があしらわれているが、バルカン半島の中心とは微妙にずれているし、ラタキアの主産地であるキプロスは表示さえされていない。
けれどもこの爽やかさとクールな味わいは確かに北のものというよりは南の風を感じるし、伝統的なイングリッシュブレンドよりはずっとオリエンタルな風味(軽さ)を醸し出している。少なくともイギリス人を含む北ヨーロッパ人が、オリエントやラタキア、スパイス風味の葉をエーゲ海のイメージに重ね合わせ、これらから醸しだされる爽やかで軽やかな個性を「バルカン風」と呼んでマイミクスチュアをオーダーした時代があったとしてもさほど不思議ではない。
それを最初にパッケージネーミングしたのがバルカンソブラニーであることはともかく、時を経てオリエント葉なしでバルカン風味を復活させるというサミュエルガーウィスの意気が込められていたとすれば……。

僕はこのBALKANに使用されている「ラタキア」と称している葉は、実はオリエント葉を使用せず(ラタキアはオリエント葉を使用する)、つまり実はラタキアではなく、ヴァージニアやバーレイを独自製法で(例えばらくだの糞の代わりにピートで)ラタキア風に仕上げたのではないか?と、これも無責任な憶測に過ぎないが、ピーティなアロマと味わいからはそんな風に読み取れるのだった。

もちろんそんな面倒な妄想をしなくても純粋に十分に美味いtobaccoだ。

ともかくも初めてサミュエルガーウィズのフレークを試してみたい人、ラタキアがニガテな人にもとっつきやすいと思う。舌荒れの心配はほぼない。St James Flakeと並んで常喫性は高い。
時間帯はデイタイム〜夜。合う飲み物はコーヒー、ウィスキー、水など。

  1. 生葉芳香 弱←○○○○○★○○○→強
  2. 甘  み 弱←○○○○○★○○○→甘
  3. 味の濃淡 淡←○○○○○★○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○○★○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○★○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○★○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○★○○○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○★○○→良
  9. 常喫可能 無←○○○○○○○○★→有
  10. 個  性 弱←○○○○○★○○○→強




2014年11月19日水曜日

Samuel Gawith St James Flake




サミュエルガーウィズ セント・ジェームズ・フレーク
使用葉:ヴァージニア、ペリク
原産国:イギリス
価格:1900円/50g(2014)


締め切りが近くなるとパイプを咥えている時間が増える。
もっとも本当に集中している時はパイプどころではなく、火が消えたのに気づかず咥えっぱなしになったり、口から離して置きっぱなしにはなったりはするのだけれど、手を休めた時の思索の時、作業の脇役としてはパイプの煙は欠かせない。

そんな時には、火持ちが良くて主張しすぎない、それでいて手軽で上質な味わいを持つ葉が欲しくなる。
重要な常喫葉はダンヒルのマイミクスチャー965。

ただリボンカットされているミクスチャーは詰めるのはラクだけど、他の事に気を取られてぞんざいに喫っているとあっという間にボウルが終わる事が多い。タンピングもややせわしない。

そんな時フレークなら、火付きにはややコツはいるものの、火持ちは気を使わずに済むので重宝する。もちろんフレークによって火持ちが異なるけれど。

サミュエルガーウィズのセント・ジェームズ・フレークを試してみた。
「セント・ジェームズ」とは、ペリクの発祥の地(アメリカルイジアナ州セント・ジェームズ・パリッシュ)。
サミュエルガーウィスの定評あるストーブド・ヴァージニアにペリクがブレンドされたフレークだ。ある情報によれば、このセント・ジェームズ・フレークに使われているペリクは一般に「ペリク」と称して使われる「ケンタッキー」ではなく正真正銘のルイジアナ産ペリクであるという。現在オリジナルのペリクはアメリカン・スピリッツ社が独占しているので、サミュエルガーウィズ社がどうやって入手しているのか分からないし、この情報自体どこまで信頼して良いか分からないが、一応そういうことになっているらしい。


葉様は褐色、サミュエルガーウィズならではのやや粗めのフレーク。香りは例によってプンパーニッケル風だがそう強くはない。ペリクの発酵臭も生葉からは殆ど感じられない。
開缶直後はモイスト。
乾燥時間を稼ぐ代わりに今回はほぐしてレディラブドの状態で味わう。詰め方はやや緩めが良い。

サミュエルガーウィズのフレークは全般的にモイストで火付き火持ちともにかなり神経を使うものが多い。
やっとそれにも慣れてきて、そのまま折って詰めるべきか、ほぐすべきか、はたまたキューブ状にしてしまうかの区別が直感的にコツがつかめるようになってきた。

一旦ほぐしてしまえばフレークもリボンカットも喫煙時間は同じだろうと思うのだけれど、どういうわけかフレークの方が長持ちするところが不思議だ。サミュエルガーウィズの葉特有の湿度やほぐし具合にもよるのだけれど、本当にゆっくり燃えてくれるから、例えば昼食後に詰めたワンボウルが、時折り休みを入れながら日暮れまで持つということも珍しくない。リボンカットのミクスチュアではこうはいかない。

喫後感を一言で表せば「傑作」。

序盤、火付き、火持ちは申し分ない。すぐにブラウンヴァージニアの優しい甘みとつんとした熟香のアロマが包み込む。すぐに「美味いtobaccoだ」ということが分かる。
スムーズで明らかなパンチやキックはないが、決して甘ったるいtobaccoではなく、刺さることのない程よい渋さと熟成香が印象的。火持ちを気にして吹かすとややエグみを感じる瞬間あり。

中盤、長いクライマックス。ペリクと分かる主張を感じる。といっても決してヴァージニアを押しのけるようなものではない。スパイシーで馥郁と香りが立ってくる。いつまでも続いて欲しいと感じる。

以前に何度も繰り返し書いていることだが、ペリクの味わいの存在意義はペリクそのものにあるのではなく、ヴァージニアとブレンドされた時に最大の輝きを発する。
それはペリク自体の味としてではなく、ヴァージニアの味わいが何十倍にも強調されて入ってくるのだ。それは「爽やかさ」であり、同時に「熟成された旨味と芳香」を提供してくれる。

このセント・ジェームズ・フレークはまさにペリクの真骨頂と言えるもので、サミュエルガーウィズの丁寧にストーブ(高温乾燥)〜圧縮された熟成葉と出会うことで、他では決して味わうことができない、透明感に満ちた最高の滋味を提供してくれている。

終盤、さらにその勢いは加速される。なんと深い発酵の芳香。ボウルの中でさらにストーブが進み、そのアロマの心地よさに何度も深く吸い込みたくなる衝動に駆られ、ようやくそれを抑える。
透き通った青空と木の葉が香る風を感じながら、最後の一葉まで丁寧に燃やして深い満足を持って終了。

ペリク&ヴァージニアの比較対象として、すぐにラットレーのマーリンフレークやオールドゴーリー、スリーナンズ等が思い浮かぶが、価格、品質ともにセント・ジェームズ・フレークの圧勝である。

僕にとっては間違いなく常喫用tobaccoのベスト3に入った。

この旨さを支えるものは、サミュエルガーウィズが使用するヴァージニアがもともと上質であること、ストーブが絶妙なこと、そう多くはないだろうけれど上質な本物のペリクの的確なブレンド比率、圧縮熟成による角のとれた柔らかさによると感じる。
何より強いのは、今でも頑なにイギリス本国で昔ながらのレシピと手作業で生産が続けられているという点だ。
スコッチで言えばアイラのシングルモルト、日本酒で言えば老舗造り酒屋の、木桶仕込みの純米地酒に相当する。とっつきは良くないかもしれないが、知れば珠玉の味と魂の真髄に気づくのにそれほど時間は要らないし、その味は記憶にしっかりと残り、手放せないパートナーになる。

ニコチン酔いの危険性は高い方だと思う。延々と吸い続けるより、時折意識的に休みながら火をつけると良い。この休みもまたこのtobaccoの旨さを引き立てる。アロマをしっかりと感じながら喫うtobacco。舌荒れの危険性は中程度。

合う飲み物はコーヒー、紅茶、その他。
時間帯はデイタイム。

  1. 生葉芳香 弱←○○○○○★○○○→強
  2. 甘  み 弱←○○○○○★○○○→甘
  3. 味の濃淡 淡←○○○○○★○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○○★○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○○★○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○○○★○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○★○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○★○○→良
  9. 常喫可能 無←○○○○○○○○★→有
  10. 個  性 弱←○○○○○★○○○→強





2014年10月21日火曜日

Samuel Gawith Golden Glow



サミュエル・ガーウィズ ゴールデン・グロウ
使用葉:バージニア
原産国:イギリス
価格:1900円/50g(2014)

日本の店頭で手に入るサミュエルガーウィスのフレークは9種あって、そのうち着香やブレンドなしのストレートバージニアを味わえるのは、フルバージニア、ベストブラウンフレーク、そしてこのゴールデングロウの3種。

この3種のストレートバージニアの位置関係は簡単に言えばストーブ(葉の加熱乾燥)と圧縮熟成の度合いで分けられる。
ゴールデングロウはその中でもっとも浅煎りで熟成も浅い。ゴールドバージニア(と銘打っている)というほどではないが、かなり素に近いバージニアの味が楽しめる。
青臭さはやや残るものの、バージニアとは本来こういう味わいのものだと教えてくれるような奥の深い味覚を刺激してくれる。

葉様はやや明るいブロークンフレーク。生葉の香りはまるでパンのような甘い芳香。
つまみ上げた葉はややしっとりしているが軽い。サミュエルガーウィスのフレークの中ではむしろ乾燥している部類に入るだろう。それでも開缶してから数日経ってからの方がストレスなく喫える。
少し手でほぐし、部屋の湿度に慣らしてから詰める。時間の目安はできれば30分以上。あまりほぐしきらずにかたまりも残しつつ詰めると火種も小さく済む。

ストレートバージニアに共通する欠点は「バイト」だ。相当気をつけてスロースモークしないと舌にきつい。それは舌荒れというよりも青臭さによる渋みとエグ味の刺激で、口腔内喫煙であるにも関わらず喉まで痛くなることさえある。

それ故神経質にドローしながらゆっくりと、しかも休み休み燻らせる事を余儀なくされる。バイトを最低限に防ぐためには火種を小さくすること。火種を小さくするためには「ラブ(ほぐし)」の度合いをなるべく少なくするのがいい。理想的にはフレークのまま詰めるのが良いが、乾燥と火持ちの兼ね合いもあるのでいろいろ見極めながらコツをつかむ必要がある。ちなみに火付き火持ちを気にするあまり念入りに揉むという方法もあるが、深煎りや長期熟成した葉においては正しいが浅煎りのバージニアではバイトの原因となるので注意が必要。また風味もだいぶ変わる。

序盤、火が安定するやいなや甘い香りと喫味が周囲を包む。青臭さは殆ど感じられずスムーズ&スイート、しっとりとしたパン・ド・ミを頬張ったような幸福感に満たされる。
良いストレートバージニアは、葉の品質、ストーブ、熟成の三拍子が揃って初めて成立するがゴールデングロウはこのバランスがとても良い。

中盤はやや青臭いアロマが出てくるが、同時に喫味に若々しい香ばしさが出てくる。サミュエルガーウィスの特徴で、甘さだけでないフローラルで複雑なアロマと風味だ。スロースモーキングしている限りはあくまでもマイルドだが、過燃焼気味になるとあっという間に牙を剥くので注意。舌にも来るが、どういうわけか喉を刺激する。

クライマックスは終盤。青臭さは消えスピード感が増してくる。バイト感も引っ込んでくる。甘さが引っ込んで葉巻のような感覚が出てくる。もちろん葉巻のそれとは決定的に違うが、土の香り、雨上がりのような空気感が柔らかに漂う。とても香ばしく豊かだ。

ストレートバージニアフレークにはダンヒルフレークという名作があるが、ダンヒルフレークが全く神経を使わずに喫えるのに対し、ゴールデングロウは非常に繊細な部分を持っている。味を引き出すのにはやや苦労するが「カチッ」と何かがハマる瞬間があって、一度そこに突入すると圧倒的な風味が押し寄せてくる。しかも喫う度に表情が全く違う。このテイストの情報量の多さは他のストレートバージニア葉とはちょっと比較にならないのではないだろうか。「甘い」だけがストレートバージニアと思い込んでいるとゴールデングロウの真価は分からないが、気づきさえすればこのtobaccoに飽きてしまうことはそうそうないだろう。

最後はやや渋みが勝って終わる。この渋みもまた、中盤の青臭さとは無縁の熟した喫味で好感が持てる。ウェットになりがちなため最後まで喫うにはややテクニックがいる。

舌荒れの危険性は大、合う飲み物は水。時間帯はデイタイム。なるべく味覚の鋭敏な時間帯がいい。ニコチンは強め、空腹時は避けたい。

  1. 生葉芳香 弱←○○○○★○○○○→強
  2. 甘  み 弱←○○○○○○★○○→甘
  3. 味の濃淡 淡←○○★○○○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○★○○○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○★○○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○★○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○○○○★○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○★○○→良
  9. 常喫可能 無←○○○○○○○★○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○★○○○→強










2014年10月6日月曜日

SamuelGawith 2014 Limited Edition




サミュエル・ガーウィズ 2014 Limited Edition
バージニア、ブラックキャベンディッシュ、ヘーゼルナッツケーシング
原産国:イギリス


サミュエルガーウィスの他の銘柄とは違い、まるで海苔の缶のような入れ物に海苔のように入っていた。

葉様は明るいやや粗めのリボンカットのゴールドタイプのバージニア葉が9割、黒いキャベンディッシュが1割ぐらいのミクスチュア。ややしっとり気味で、圧縮されずにとても柔らかくパッケージされている。

生葉の香りは、ほんのりとチョコレートのような甘い香りがするが、缶ラベルの表記上は「ヘーゼルナッツのフレーバー」とある。tobaccoreviews.comを検索してみるとこの他に「アマレット」「蜂蜜」とある。確かにバージニアからほんのり蜂蜜の甘い香りがする。アマレットはどうだろう。ヘーゼルナッツ+蜂蜜とアマレットの香りはけっこう似ているから僕には判別できなかった。
こんなふうに書くと、コンチネンタルの着香タバコか?と誤解されそうだが、香り自体は柔らかくほのかでイングリッシュミクスチュアの矜持は保っている。

火付きは良好だが、火持ちは開封直後だとミクスチュアとしてはややモイスト過ぎるかもしれない。しばらく室内湿度で馴染ませるが、それでも時々立ち消えする。
おかしいなと思い葉を手にとって調べると、バージニアの方がまるで保湿されたようにしっとりしている。ベタつきはない。ブラックキャベンディッシュの方は乾いて締まっている。一晩かけてゆっくり脱湿させると火持ちも改善された。

カットが大きめなので緩めに詰めて燃焼に合わせてタンピングで詰めながらゆっくりと燻らせると良い。アロマを楽しむには吹かし気味がいいが、スロースモーキングに徹すれば煙量はそう多くはない。

序盤、とてもスムーズで柔らかい。アロマ、喫味ともマイルドスイート。ほんのりナッティなアロマ、バージニアの自然な甘さと程よい青臭さ。ニコチン感はやや強い。

中盤、スロースモーキングを心がけていると時折隠れていたチョコレートのような甘み。やや吹かすと木の実、干し草のようなアロマが頭をもたげてくる。。日本のピースのような味わいもある。クライマックスは長い。

終盤は次第に舌を刺す若さが出てくる。やがて黒土の香り。燃焼がやや速めになりフィニッシュ。

これはゴールドバージニアを味わうtobaccoだ。
普段なかなかこんなにふんだんにゴールドバージニアを使ったミクスチュアにはお目にかかれない。

傾向としては同社のグラウスムーア(GrouseMoor)に近い。
ゴールデングロウ(GoldenGlow)もゴールドバージニアだがこちらはフレーク。
もちろんフレーバーは三者全く異なるが、ゴールドバージニアを主体にし極力着香を抑えつつキャベンディッシュで引き立たたせるコンセプトは似ている。
こういった高品質のバージニアを味わえるという事自体が贅沢だ。

ゴールドバージニアはサミュエルガーウィスの特徴の一つで、コーヒーのローストで言うところの「浅煎り」。
ところが浅煎りの葉は品質が良くないと欠点ばかりが目立つ。
だからたいていの場合、あまり良いとは言えない品質をごまかすために着香着味がされているのが殆どだし、そうでない場合でも、どこまでも続く単調な甘み、強いニコチン感、終盤の速さ、そして青臭いルームノートと舌荒れに飽き飽きしてくることが多い。体調にもよるけれど。

しかし2014LimitedEditionのバージニアの品質は同社がかなりの自信を持っていると分かる。単調さは抑えられ、自然な甘みとアロマを感じることができる。そのためのブラックキャベンディッシュの配合とケーシングなんだなと分かる。それは実に節度あるもので、やはりイングリッシュミクスチュアは良いなと改めて思わせてくれる。ゆっくり燃えてくれる点も美点のひとつ。

3500円/100gというサミュエルガーウィスの中では少しお得感のあるtobaccoだ。
舌荒れの危険は大、努めてゆっくり燻らせる必要あり。
ニコチン酔いの危険性も少ないとは言えない。
喫味的には朝からいけるのだが、空腹時は避けたい。
葉の性格としての常喫性は高いが限定品のため入手次第になる。
合う飲み物は紅茶、水、ワイン、ビール。

  1. 生葉芳香 弱←○○○○○★○○○→強
  2. 甘  み 少←○○○○○★○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○○○○★○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○★○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○○★○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○○★○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○○○○★○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○★○○○→良
  9. 常  喫 無←○○○○★○○○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○★○○○→強

3500円/100g(2014)

2014年10月2日木曜日

SAM'S FLAKE


サミュエル・ガーウィス・サムズフレーク
バージニア、オリエント、トンカビーンズケーシング
原産国:イギリス

同社の「1792」とよく似た葉様、芳香を持つフレーク。 開封すると真っ先にトンカビーンズの甘くてスパイシーな香りを感じる。 ややモイストな比較的整ったフレークを手に取ると密度のあるどっしりとした重みを感じる。量ってみると1枚当たり5gを少し超えていた。

熟成されたフレークはライ麦パンの香りがするが、これはシュトーレンのそれととても良く似た甘い香りで、酸味を感じさせるものはない。
四つ折りにして(19mmパイプの場合は半分に切ってちょうど)ボウルにねじり込んで火をつけるが安定までやや苦労する。開封直後なら乾燥は1〜2時間は必要。火持ちを良くしたいなら一晩は放置した方がいい。

安定すれば火持ちは良いが、サミュエルガーウィスのフレークに共通することとして、乾燥時間の配慮や、火付きから安定までにややテクニックが要る印象がある。
他ブランドのフレークでは何の苦労もしないのにサミュエルガーウィスでは悪戦苦闘する事も少なくない。

火付き火持ちは開封して乾燥すればするほど良くなる。しかし味の方はモイストのままの方が良いので悩ましい。
消えてほしくはないけどゆっくり燃えて欲しい。そのためにはなるべく開封直後のモイストをキープしておきたい。となると火の管理は結構忙しく、他の何かをしながらの「ながら喫い」は難しい。
このサムズフレークも同様で、乾燥させれば火の管理に全く苦労はしないのだが、なるべくならモイストのまま頑張りたい葉のひとつだ。

(追記:ほぐして少し揉んで「レディラブド」の状態で詰めたところ、火付き、火持ちも申し分なく、また風味も失われずに喫うことができた。)

火が安定して序盤、優しく暖かい甘みで満たされる。パンチや刺さる要素などはひとつもなく、ひたすらスムース&マイルドだ。
トンカビーンズのアロマもしっかりと感じ取れる。
熟成香ではなくオリエント的なアロマも強い。カタログを見ると「各種バージニアブレンド」とあるが、むしろオリエント葉主体のtobaccoではないだろうか。

中盤から喫味にややキックが出てくるが、主体は優しい甘みと香ばしさ。煙量はとにかく少なく消えかかる寸前が美味い。

ポカポカした陽の注ぐ草原にピクニックに出かけたような感覚。そこでバゲットと若い白かびのチーズを広げ、物静かな恋人とランチをしているような感じだ。リラックスとおおらかさと安心。


ストーブされたバージニアは終盤になるにつれてより一層香ばしさを増し、トンカビーンズのアロマが沈んでいくのと引き換えにどんどん顔を出す。
サミュエルガーウィスらしい土の香りと深みのある喫味に包まれてくる。
優しい夕陽を浴びて終了。

サミュエルガーウィスらしさと親しみやすさのバランスのとれたフレークだと思う。特別なギミックがあるわけでなく、わかりやすいサインやクライマックスがあるわけでなく、華やかさもない。淡々としかし濃厚な時間が過ぎてゆく。それは退屈な時間ではなく深い沈思とリラックス。自分を取り戻す大切な時間。
イギリスタバコの様式美。

ひと通りフレークに慣れた人におすすめしたいtobaccoだ。
舌荒れの心配は中程度。ニコチン酔いの空腹時以外は心配はない。
合う飲み物は水、コーヒー、ワイン、ブランデーなど。
時間帯は昼〜夜。

  1. 生葉芳香 弱←○○○○○★○○○→強
  2. 甘  み 弱←○○○○○★○○○→甘
  3. 味の濃淡 淡←○○★○○○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○★○○○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○★○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○★○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○○★○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○★○○○→良
  9. 常喫可能 無←○○○○○○○★○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○★○○○→強

1900円/50g(2014)





2014年8月26日火曜日

Celtic Talisman



セルティック・タリスマン(ケルティック・タリズマン)
バージニア葉、バーレー、キャベンディッシュ、チェリー、バニラ
製造国:イギリス



「セルティック・タリスマン」は本来「ケルティック・タリズマン」と発音したほうが正確なはずだが、カタログ等には全てセルティック・タリスマンと表記されている。直訳すると「ケルトの護符」。パッケージの左側に描かれている模様がそれだ。日本では「ケルト模様」としてよく知られている。
ケルト模様のデザインは様々あるが、十字、左右上下対称、一筆書きや編み物のような幾何学模様(ノット)、それらの組み合わせなどが特徴。
それぞれのパターンでいろんな意味合いがあり、たとえばアランセーターの縄目模様は元来は航海の無事を祈るためのお守りの意味があり、手編み故オリジナルの模様が船乗りと同じ数だけあったと言われる。
ミステリー・サークルなどにもしばしばケルティックの模様が見られる。

この缶に描かれた意匠がどんな意味を持つのか詳細は残念ながら分からないが、永遠性や繁栄(安定)を象徴している事だけは伺える。


葉様は明るいバージニアとダークキャベンディッシュのミクスチュア。柔らかなリボンカット。ちょうど同社のグラウスムーアとよく似ている。生葉の香りのキャラクターもよく似ていて、グラウスムーアより軽やかだが、いっそうフローラルでフルーティな甘い香りが鼻をくすぐる。
チェリーとバニラによる着香がされていることははっきり判別できるが、それらは個別に強く主張するわけではなく、ハーモニーがとても女性的でまるでポプリのようだ。シャンパンのような香りも見え隠れする。

さほどモイストではなく、開缶してすぐにボウルに詰められる。ほぐしももちろん要らない。火付きも火持ちもとても良い。

生葉の時の華やかさとは裏腹に序盤から豊かなアロマとたっぷりとしながらキレの良い喫味が支配する。生葉の時は女性的だったアロマは、着火と同時にハバナに似た熟成香に変化する。ハバナは土の香りに近いがこれはムスクに近い。バーレー種ブレンドの片鱗。

中盤の喫味はキレが増してくる感じだ。ムスクのアロマは弱くなり、バージニアならではの香りが増してくる。
爽やかというほどではないが、ほどよいスパイシーさと甘さのバランスがとても好感が持てる。
サミュエル・ガーウィスに共通する特徴として、生葉の甘い香りに比して、喫味の方は決して甘ったるさはない。「ヴァージニアの自然な甘さ」というものもこれみよがしなものではなく「しっかりと用意はしているから自分で引き出してごらん」と言われているようで、パイプのタイプや喫うたびに印象が変わる。

終盤はやや辛めに変化するので早めに終了したほうがいいかもしれない。テクニックによっても差はあるが上質な着香系ミクスチュアに共通する問題として、モイストをキープした葉ほど序盤と終盤の喫味の変化が大きいという点がある。
ただロングスモークは可能なので喫い方は人ぞれぞれ。
葉の開きが早いのでタンピングはこまめに必要。

これまで取り上げてきたサミュエル・ガーウィスのラインナップの中では群を抜いて分かりやすく、また喫いやすい素直な性格だ。パイプtobaccoの良い部分がしっかりと表に出ていて誰にでも引き出しやすく、初めてパイプを嗜んでみようという人にもおすすめできる。
惜しいのはなかなかこれを扱っているショップが少ないという点だ。知っている限り実店舗で買えると分かっているのが2店舗。今回は知己に特別に頼みこうして味わうことができた幸運に感謝。
こういうtobaccoこそどこでも手に入るようにして欲しいのだけれど、知名度が低い分仕方がない話なのかもしれない。

春の香りのグラウスムーアを引き合いに出せば、セルティックタリスマンは高原の夏のtobaccoだ。心の高揚とほんのり汗ばんだ肌を冷ましてくれる森の風、木陰のテーブルに盛られたフラワーアレンジとハーブと生ハムを使ったブランチの後に時間をかけて飲むカフェオレと一緒に。

喫味はミディアム。舌荒れは並。
時間帯は朝から昼過ぎ。
合う飲み物はミルク入りのコーヒー
1900円/50g(2014国内)


  1. 生葉芳香 弱←○○○○○○★○○→強
  2. 甘  み 少←○○○○★○○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○○○○★○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○★○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○○★○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○★○○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○★○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○★○→良
  9. 常  喫 無←○○○○○○★○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○○★○○→強


2014年7月31日木曜日

Samuel Gawith 1792 Flake



サミュエルガーウィス 1792フレイク
ストーブドバージニア(ダークケンダルフレイク)
トンカビーンズケーシング

サミュエルガーウィスの創業は1792年。1792フレイクがその年のレシピという訳ではないだろうが、サミュエルガーウィス社最古のレシピの一つであることだけは間違いない。

同社のフルバージニアが軽くラブド(ほぐし)にしたりキューブにした方が火持ちも良く味わいもよく分かるtobaccoだったので、この1792も最初ほぐして詰めてみたが、どうもそれは失敗だったようだ。
フレイクのまま折りたたんで火を付けたほうが、火持ちもよく良いアロマ、良い味が出る。

葉様はフレイク、やや乾燥気味。
10〜20分ほどは部屋の湿度になじませたい。

ただ、フレイクの含水率と火持ちと喫味の相関関係をどう捉えるかは結構難しい。
部屋の湿度に馴染ませるということは早い話が自然乾燥だ。フレイクの殆どはこの自然乾燥をやらないとまともには火がもたない。

乾燥しすぎても、過燃焼の原因になったりフレイバーを失ったりして喫味を落とす。
またフレイクは乾燥してくると結局はラブド(もみほぐし)の状態でパイプに詰めるのと形状も喫味も大して変わらなくなる。

この辺の乾燥ぐあいは好みによって全く変わるから、このぐらいの乾燥がいいという基準はどこにも存在しないのだ。

缶を開封してすぐに取り出したしっとりとしたフレイクを塊のままパイプに詰めて火持ちが良い悪い、甘い辛いを言っても始まらないことだけは確かで、自分の好みの乾燥ぐあいを見つけるためには慣れしかない。

だから塊で詰めるのがいいかラブドで詰めるのがいいかという判断も、一概にどれが正しいという絶対的な基準は存在しない。結局は好み。
このtobaccoはそういった、乾燥具合や詰め方がやや難しい部類に入るかもしれない。

その辺を踏まえつつ、塊で詰めた場合の性格はフルテイスト。キックが強く、スパイシーでどっしりと来る。
ラブドで詰めると甘みとスパイシーさは強調されるが、フルテイストと言うほど重量感のあるtobaccoではなくなる。
熟成されているのでいずれにしてもニコチン感はマイルドで付き合いやすい。





生葉の香りはそれほど強いものではないが、郷愁を誘う独特の香りがする。
トンカビーンズをケーシングに使っているとのこと。トンカビーンズはヨーロッパではケーキなどに使われるが日本ではあまりポピュラーではなく、アロマオイルはよく「桜餅の香り」と評される。

「桜餅」というよりは「雨上がり、日向の稲わらの側で」または「古いお寺の縁の下」でナツメヤシのリコリス漬けをこっそり食べようと思案してるようなそんな国籍不明な印象。
カタログには「ドライフルーツ」とある。まあ当たらずとも遠からず。同社フルバージニアには酸味ある芳香があるがこれには全く酸味を感じさせる要素はない。


喫味は序盤、ガツンと辛味に近いスパイシーな喫味の中に、渋い甘みが沈む。この甘味はバージニア特有の甘みのように広がるタイプではなく、パンチ、スパイシーの奥底からにじみ上がってくるような甘みだ。それが絶妙なバランスを生んでいる。

中盤はさらにパンチが効いてきてドミニカやニカラグア産の葉巻を燻らしているような野性的な喫味が支配する。アロマは喫味に較べてそれほど濃厚ではなく爽やかで、尖ったところもない。

終盤は苦味が勝ってくる。深煎りの濃いブラックコーヒーを飲んでいるような、良い意味での不透明感が口と鼻を支配する。
シガーの終盤の苦さ辛さとよく似ている。

苦味が苦手な人は、ウイスキーなどの蒸留酒で口を洗いながら味わうと中和されていいかもしれない。
舌荒れの心配はさほど要らない。慣れないと終了のタイミングは少し早いかもしれない。辛味が勝ち始めたところでやめておいたほうがいい。フレークに慣れてくると最後に旨味甘みを味わうことができる。

総じて洗練されたtobaccoではない。食事やデザートの後に喫したいtobaccoではない。
好き嫌いも分かれると思う。

深夜、なんとなく空腹感が支配しながらもう口には何も入れたくない時など、強い酒か、あるいは逆に水と一緒に空腹感を制して眠りにつきたい時に向いている。

苦味の苦手な人にはおすすめできない。甘みは弱くないが火持ちにテクニックが少々いるので苦味の奥から引き出すのに少々苦労するかもしれない。難しいtobaccoの部類に入ると思う。
でも一度や二度燻らしてみただけでは引き出せない味わいと魅力もある。
通を気取るつもりはないがある程度の年月パイプに慣れ親しんできた人にとっては深みのある、それでいて押し付けがましくない、久しぶりに合う親友のようなtobaccoになるに違いない。


時間帯は夜〜深夜。マイルドなので空腹時でも大丈夫。シガーを燻らす時間がない時などにも良い。
合う飲み物はウイスキー、焼酎、ブラックコーヒーなど。

1900円/50g(2014)


  1. 生葉芳香 弱←○○○○○★○○○→強
  2. 甘  み 弱←○○○○○★○○○→甘
  3. 味の濃淡 淡←○○○○○○○★○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○○★○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○★○○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○★○○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○★○○○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○★○○○○○→良
  9. 常喫可能 無←○○○○★○○○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○○★○○→強











2014年7月19日土曜日

Samuel Gawith GrouseMoor


バージニア

サミュエルガーウィス社最古の葉の一つに挙げられるグラウスムーア。
しかし決して古臭いtobaccoではない。それどころか21世紀の今でさえもこれほど洗練された美しいtobaccoは他に見つけるのはなかなか難しい。
古いイギリスtobaccoでありながら着香系という、ちょっと異色の存在でもある。(イギリス葉は1980年代までtobaccoへの着香料使用は厳しく規制されていた)
それ故、着香系とは言ってもコンチネンタルなそれに較べたら、着香などされていないも同然の自然で優しいものだ。

生葉は爽やかなフローラルとフルーツケーキのような香りが入り交じった優しい女性的な芳香がする。どことなくりんごの香りもする。
葉様は色がとても明るくて山吹色に近い。缶にはみっしりと圧縮されて入っているが、他のサミュエルガーウィスのようにしっとりはしていない。比較的乾いた葉だ。よって火付きも火持ちも全く苦労しない。


序盤、豊かなアロマと優しいほのかな甘み。それは砂糖や蜂蜜や甘味料などでつけた分かりやすいべったりした甘さではなくとても自然だ。かといってバージニア特有のそれだけでもない。フルーティな甘みがバックグラウンドにある。

この葉はアロマは私が喫ったそれほど多くない葉の中では間違いなく3本の指に入る。バターとまではいかない、若いチーズのようなクリーミーなアロマと、抑えの効いたフルーティな甘みのハーモニーは本当に素晴らしい。
この由来は一体何だろうと思い、想像を巡らす。

生葉の芳香からリンゴかなあと思ったが、リンゴ系特有の強い残香はない。もしかすると生葉で感じたリンゴのような香りはカモミールなのかもしれない。

ふとブラックベリーやラズベリーをコンポートにして酸味を飛ばすとこういう風味が出ることを思い出した。元々のベリーの甘酸っぱさとは全く違う練られた甘み…そう、これはワイルドベリーのケーシングだ。もうひとつ、ペア(洋梨)を連想させる。ケンダル地方がペアの産地であるかどうかは分からないが、明らかにペアを彷彿とさせるアロマが顔を覗かせている。

中盤〜終盤にかけてフルーティなアロマは次第に弱くはなっていくが、消え去って別物になることはない。喫味はあくまでもマイルド、そしていつまでも飽きない。
大陸系の着香葉にはいくらでもアロマや甘みが強いものはある。しかしそれらの殆どは強すぎて喫っているうちに飽き飽きするし、結局tobacco本来の旨味をとるか着香のアロマを取るか二者択一になってしまうようなところがある。
しかしグラウスムーアはそのどちらも損ねることなく両立している。あくまでも自然で主張しすぎることなく、たっぷりとバージニアとアロマを味わえる深いtobaccoだ。これほどイマジネーションを掻き立てられるtobaccoも珍しい。

tobaccoは飲み物だけでなく、音楽ともとても合う。
限定はしたくないがグラウスムーアはJ.S.BACHのピアノやチェンバロ曲がとても良く合う。特にグレン・グールドの弾くゴルドベルク変奏曲。これは20世紀の演奏だが伝統的なそれとは一線を画し情緒的で緩やかな時間が流れていくような音楽だ。本来は子守唄代わりに作曲されたものだが、グールドの演奏とグラウスムーアの煙は草原にいて陽の光を浴びて寝転んで流れる雲を見ているようなそんな感覚にしてくれる。



グレン・グールド ゴルドベルク変奏曲(1981年盤)


喫感はマイルド。ただしニコチンは軽くはない。
時間帯は朝〜午後にかけて。
合う飲み物は紅茶、水など。
1900円/50g(2014国内)

  1. 生葉芳香 弱←○○○○★○○○○→強
  2. 甘  み 少←○○○○○★○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○○○○★○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○★○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○○★○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○★○○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○★○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○★○→良
  9. 常  喫 無←○○○○○○★○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○○★○○→強


2014年7月14日月曜日

Samuel Gawith Black XX





サミュエルガーウィズ ブラックダブルエックス (UK)
RopeCut
バージニア



いくつかの単語で表現すると、強烈、プリミティブ、野蛮、豪快、そして絶品。

まずは葉様…というより容貌。
ロープ(縄)タバコ。缶を開けて出てくる姿は事前に分かってはいてもやはり度肝を抜かれる。表面はつやがありほんのり油っぽい。

ロープはパイプ葉の中で最も古いスタイルと言われている。由来は様々だが、葉巻に似ていて、Tobaccoの葉をよって縄状にしている。ほぐすとフィラーとラッパーに分かれている事に気がつく。ただ葉巻と違うのは、とにかく湿っていて重いこと、そして長いこと。製造時は本当にロープのように長くロールして保管、缶に入っているのはそれを短くカットしたもの。

芳香は、どことなくセロリを思わせる爽やかでスパイシーな香り。けれど熟成しているせいか野沢菜の漬物のような隠れ香もする。tobaccoらしい香りは皆無。

アニスでキャベンディッシュしているとのことだが、それが葉や茎の絞り汁であるか、種のエキスであるか、はたまたアニスオイルであるかは分からない。表面のテカリはオイルだが、アニスオイルだろうか。「アニスオイルにドブ漬けして」という説明もサイトで見かける。
ただ、セロリやパセリに似た香りが強く、いわゆるアニシードの香りもしないわけではないが熟成香に隠れてやはり爽やかな香りが勝っていることや、後述するオイルの焼ける匂いが全くアニスとは似ても似つかない事などから、やはりハーブとして葉や茎の絞り汁を使っているのかもしれない。


これをナイフ等で輪切りにしてパイプに詰める。本来ならパイプの深さに合わせて切ったものをそのまま入れて喫するのだそうだが、通気性がよろしくないのでまず無理。もう少しこまめにスライスしてほぐして使う。
切った感じはまさに「濡れた葉巻」。

通常のパイプで約7mmを2つ。手で適当にほぐしていくが、思ったよりは容易で、ほろほろとほどけていく感じだ。あまり丁寧にほぐさなくても良いが、火持ちが気になる人はほぐして一枚一枚薄く伸ばした方がいいかも。

ほぐした葉の色や手触りは、とてもやわらかい都こんぶ。
これをしばらく部屋の湿度に馴染ませてからパイプに詰めてゆく。ロープ状の時に感じたほどにはモイストではない。要するにオイルが染みている状態。

火付きは良い。火持ちは決して良い方ではなが、丁寧にラブド(ほぐし)にしてなじませると意外に良くなる。火持ちに粘りはないのでこまめなパフィングやタンピングは要る。

その日喫う分の量を予めほぐしてパウチなどに入れて自然乾燥させておくと火持ちに関しては全く他のtobaccoと遜色はないなとは思ったが、考えてみればこのロープtobaccoを一日に何ボウルも常喫できるとも思えないのでやめておくことにした。

序盤、喫味は渋い。豪快というか乱暴というか、甘みとかクリームとか、普段パイプ葉に抱きがちなイメージは全く出てこない。とにかく渋い。若干の爽やかさが渋みの中から覗く程度。この爽やかさは明らかにアニスのものだ。

それよりもアロマが個性的だ。いや、個性的と言うのだろうか。tobaccoの匂いではない。ステーキや焼き肉。たぶん油の焼ける匂いだと思う。「なんじゃこりゃ!」だ。そもそもアニスオイルは焚いても決してこんな匂いにはならないし。
進むに連れて少しずつマイルドにはなってゆくけれど、ステーキ臭がダメな人はこのTobaccoはやめておいた方がいいかも。

最初は渋いながらなんとなく爽やかさも感じる喫味だったが、中盤からボディブローのように鈍くヘヴィなパンチが効いてくる。とにかくニコチンが強い。これはロブストのような太くて強いシガーの喫後感に似ている。酩酊感がどんどん深くなる。私はニコチン耐性は高い方なのでパイプ喫煙ではニコチン酔いは殆ど起こさないので平気だが、普段あまりヘヴィに吸うのでない方は、空腹を避け、火持ちを気にせず休み休み喫したほうがいいと思う。

中盤から終盤にかけて、非常にねっとりした喫味に変わってゆくが、お世辞にも味のあるたばことは言い難い。
ただ、初めは大味なTobaccoだなあと感じていたが、よくよくアロマの状態に気を配って燻らしていると、突然「ここだ!」というポイント、クライマックスがある。このクライマックスは主にアロマから得られる。

例の油の焼けるような匂いがいつのまにか消えて、ウッディでなんとも神秘的なルームノートが周囲を満たす。そして深い満足感が満ちてくる。
ここがイギリスtobaccoの不思議というか持ち味なところで、良く言えば懐が深い、悪く言えば分かりにくい。


こういうtobaccoを喫するといつも思うのは、tobaccoとは一体なんなのか?という疑問だ。
嗜好品なのか趣味なのかアロマテラピーなのか薬なのか毒なのか、よく分からなくなってくる。

ヨーロッパ人がtobaccoを発見する以前は、インディアンはtobaccoを単なる嗜好品だけではなく神聖な植物で、儀式の時に焚いたり喫してトランス状態を作り出したと言われる。
それがマリファナでもなくコカでもなくtobaccoだったという点は、現在のわたしたちに示唆を与える。人によっては「当時のtobaccoの品種はもっと幻覚作用があったのだ」(アルフレドダンヒル)という人もいる。しかし私はちょっと違うのではないかと思う。

例えばホワイトセージという葉がある。薬理的に言うと幻覚作用も覚醒作用もない。しかしこれもインディアンの儀式に使われる重要なものだ。これによってやはりトランス状態を作り出すきっかけになる。

使い方はスマッジングといって、刈り取って乾燥させたものをきつく束ねて火を付け、ルームノートを作りだす。tobaccoもスマッジングで使われることがあったので似ている。
セージはとんでもない大量の煙が出るが、その煙は大地や人の浄化の意味がある。

そしてその煙は素晴らしいアロマを提供すると同時に、スマッジングすると人に神聖で敬虔な気持ちを抱かせ瞑想状態になる。場合によっては激しい頭痛の原因にもなる。
それは決して幻覚とか忘我の状態ではなく、自己の持つ精神性のある一部分をブーストし、神や自然と一体になるきっかけを与えてくれる媒体のような役割。
日本やインドのお香とも似ている。

tobaccoも同じで、友情の儀式、和平の儀式、大地への感謝の儀式などで使われたという。それはいたずらに忘我に至るのではなく、煙、つまり副流煙のアロマとルームノートが人間の精神をブーストし、リラックスと神秘体験を通じて敬虔と智慧、友愛と平和に誘ってくれる存在であった。

ブラックXXはそんな古いtobaccoの名残を残している。余計な着香もなく、かすかにアニスの痕跡。熟成された原始的で根源的なアロマ。豪快のち瞑想に誘う深い満足感。
人には積極的におすすめしないが、個人的には非常に気に入った葉の一つ。ただし出だしは焼き鳥臭なのでご注意を。
でも美味しく吸えます明らかに。チャレンジする価値はある。ハードボイルドなtobaccoだ。

舌アレはそれほど強くはない。ブローもドローもそれほど気を使わなくても良い。
むしろ煙は多めに盛大にスマッジングするようにパフしたほうがいい。
いつも書いているが、伝統的イギリスタバコのようにモイストなものになればなるほどちまちましたスモーキングはうまくいかない。ボウルの温度に気をつけさえすれば、煙は多めの方が味わいがよく分かる。

それと注意点として、独特のアロマが喫後もパイプに残るので、繊細な香りのtobaccoとパイプを兼用しない方が良い。できれば専用のパイプが望ましい。

時間帯は問わないが、重いので空腹時は避けたほうがいいかも。
まさに焼き鳥、焼き肉、ステーキの食後にいい。ウォッシュタイプやブルーチーズの後にも良い。
合う飲み物はコーヒー、濃いお茶、蒸留酒、甘い飲み物など。
1900円/50g(2014)

  1. 生葉芳香 弱←○○○○★○○○○→強
  2. 甘  み 少←★○○○○○○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○○★○○○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○★○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○★○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○○○○★→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○★○○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○★○○○○○→良
  9. 常  喫 無←○★○○○○○○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○○○○★→強








2014年7月8日火曜日

Samuel Gawith Perfection



サミュエルガーウィズ パーフェクション(UK)
バージニア、ラタキア、トルコ葉 、バニラ


カタログによれば、サミュエルガーウィズの地元ケンダルに住み、ロンドンに行ってお気にい入りのミクスチャー(ブレンドタバコ)を買うのが大変だというお客のために作ったのが始まりとのこと。その客が「パーフェクトだ!」と言ったところからついた名称。
案外ダンヒルで自分専用のミクスチャーを作ってもらっていた人なのかもしれない。


缶の封を開けると薫香が広がる。一瞬おなじみのラタキア(シリア、キプロス産の燻製葉)かなと思いきや、注意深く嗅いでみると酸味香があまりしない。ストーブバージニア(葉の加工法で熱乾燥したもの。甘みが増しエグミや有害物質が消える)の香りではないだろうか。バニラの香りづけがされているとの事だが、生葉からはそれらしい香りはしない。

カットは理想的なリボンカット。小さな缶に50gの葉がみっしりと詰められており、まるでケークのよう。一角を崩せばすぐにほぐれる。
葉様はややモイスト。火付きはとても良い。

序盤
喫味は非常にマイルド。火持ちもとてもいい。煙量は多め。あまりスロースモーキングに気を使わず、ブロー&ドロー(パイプ喫煙は吸うだけでなく、煙や息をボウルに戻してやる作業で成り立っている。この吐き〜吹きの強弱がtobaccoの個性を引き出すカギになる)を心持ち強めにしながら味わう。アロマは目立たないがクリーミー。柔らかい甘味が顔をのぞかせる。

中盤になると甘みがほんのり増してくるがやはり前に出るほどではない。角がとれた柔らかくスムースな味わいが続く。アロマにこっくりとしたナッツ感が出てきて少しずつ喫味に満足感が出てくるが、これもそれほど主張する訳ではない。

終盤、パンチとコクがやや深まってくる。ラタキアの個性が顔をちらりと出してくる。葉が湿って立ち消えすることが多いが、喫味は最後まであまり大きく変化はしないので、最後まで吸う工夫をして良いと思う。お香を焚きしめたような上品なルームノートがほんのり残る。

バニラは云われないと気づかないほど弱い。というよりこれをバニラフレーバーとするのは無理があるだろう。ブレンド葉を繋いで尖ったところを丸めて統一感のある喫味に仕立て上げるために活躍している感じ。

クセのない素直な喫味。全てにおいて中庸。でも無個性とも言い切れない。スムースなので一見単純な喫味かとおもいきや、思い出したようにナッツやフルーツ、ラタキア、トルコなど、ダイジェストのように様々なアロマが顔を覗かせてくれるので意外に飽きない。またブロー&ドローの強弱に気を使うこともないので、パイプスモーキングが数段上手くなったような気分になれる。

マイルドなラタキアと奥の方になんとなく香るトルコタバコのイメージは、ラタキアやオリエントを喫んでみたいが、未経験という人や苦手意識のある人にはベストチョイスのブレンドだと思う。とにかく吸いやすくヘンなクセもないtobaccoだ。イギリス葉そのものが初めてという人にもおすすめ。

かなりスムースで常喫性が高いのでベースにブレンドを作っても面白いと思う。フレーバー葉を少し足したり、バージニアを足してパンチを効かせてみたりすると、さらに楽しめると思う。

昼から夜にかけて。あっさりした軽食などの後にも良い。
合う飲み物は、コーヒー、紅茶、水、ビール。
1900円/50g(2014)

  1. 生葉芳香 弱←○○○○★○○○○→強
  2. 甘  み 少←○○○★○○○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○○★○○○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○★○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○★○○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○★○○○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←★○○○○○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○★○→良
  9. 常  喫 無←○○○○○○○★○→有
  10. 個  性 弱←○○○○★○○○○→強


 

2014年7月3日木曜日

Samuel Gawith Full Virginia Flake


当分の間パイプタバコレビューは、Samuel Gawith (サミュエルガーウィズ)という、イングランド産のtobaccoについて書いて行こうと思っています。

サミュエルガーウィズの歴史が始まるのは1792年と云いますから、かなり古いタバコ会社の一つです(イギリスでは最古とも云われる)。本格的にパイプ用の葉を製造しだしたのは19世紀に入ってからだそうですが、200年前の機械を使って、今でも湖水地方の中心地ケンダルという町で昔と変わらぬレシピでtobacco作りを行っています。
イギリスらしい、実直で上質なパイプtobaccoを味わえる貴重なブランドです。ブレンド(形態)は70種以上、日本で買えるだけでも18種類、一巡するにはかなりのハイペースでフルスモーキングしても半年はかかると思います。
全てをレビューできるとは思いませんが、僕のパイプスモーキングの目的の一つに、イギリスtobaccoとじっくりと向き合いたいという気持ちが長年あります。サミュエルガーウィスはその中でも特に重要なブランドです。そんなわけでしばらくこのブランドを重点的に書いておきたいと思います。
一番目はFULL VIRGINIA というフレイクtobaccoについて。



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

Full Virginia(フルバージニア)はその名の通りブレンドなしのヴァージニア種を熟成させたtobacco。サミュエルガーウィスのラインナップの中で最もポピュラーな葉。葉といってもフレイク。缶を開けると木っ端のようなものが何枚か入っている。木っ端に見えるけど立派なtobacco。

 「Flake(フレイク)」とは、簡単に言うと薄い板状になったtobaccoのこと。


缶を開けるとプンパーニッケル(ライ麦100%のライブレッド)によく似た独特の酸味ある芳香が鼻をつく。とてもモイストで見た目も感触もライブレッド。このまま食べられそう(違)。香味付けも一切なし。

フレイクの詰め方は、1時間ほど乾燥(部屋の湿度に馴染ませる)させてから折りたたんで詰めるか、縦にさきイカのように裂いた後、軽く揉んで詰めるか(Rub)、キューブカット(Cube Cut)で喫する。かなり含水率が大きいのでキューブカットもおすすめ。
(参考:フレイク、Rubとキューブカットについて)

火付きは全く良くないが、葉の含有水分の問題なので一度安定してしまえば粘りはある。最初の着火分だけ少しもみほぐした細かい葉を載せてもいい。
火種で周囲もどんどん葉が開いてくる。

喫味は序盤から終盤まで一貫してとてもマイルド。
爽やかさと暖かみが同居している。
味にクセや角やエグみが一切なく、ほんのりスパイシーな味と、一見そっけないように感じるアロマが、時折コクが顔を覗かせ思索や作業を邪魔しない程度に次第に深くなる。
甘み…というほどの甘みはないがtobaccoが本来持つ甘みと緩やかな渋み、ニコチン感がとてもバランス良く、喫後が爽やかで満足感は高い。

スロースモーキングは難しい。ブロー&ドローは頻繁か、あるいは強めに心がける。
フレイクカットはそもそも風の吹く屋外で喫することを前提にしている。念入りに揉んでこねて部屋でスロースモーキング…というやり方はこの葉の持ち味を活かしているとは言えない。簡単に粗めに裂いて緩めに詰めるだけでいいので、実はミクスチュアよりもイージーだ。

舌焼けの危険性も少ないので、煙多めにアロマを引き出すようにしながら短時間(といっても40分はゆうに超えるが)で味わい、ジュースが出たり着火ができなくなった時点で一旦休ませたほうが、この爽やかで暖かな味わいを引き出せる気がする。
終盤になっても喫味はさほど変わらないので、どうしても残り葉が出るようであれば、一旦休ませて時間をおいて再度着火すれば良い。
終盤のアロマは少しずつこってり感が出てくるが、最後まで爽やかさは消えない。
ボウルは問わないが、できればピーターソンなどジュースを気にせずに済むものがいい。

パイプスモーキングで、極端にジュースを出すのを恐れる人がいるがジュースに気をつけるか気にしないかは葉によって考え方を変えたほうがいい。

モイストで火持ちが悪い葉は屋外でパイピングするとそれが逆に過燃焼を防いでくれるメリットもあるし、ジュースもさほど出なくなる。味も爽やかで野趣あふれる。昨今はなかなか難しいかもしれないが、屋外に出て味わってみることをおすすめする。

特にイギリス葉はモイストでジュースの出やすい葉が多い。スロースモーキングや、乾燥させても喫味が変わらない葉であれば良いが、煙量を増やしたほうが旨い葉やモイストのまま吸った方が旨い葉はジュースは宿命だ。
葉が濡れてきたら火を落とせばいい。
そういう喫み方もあるということ。


時間帯は午前〜午後、屋外、一息入れたい時に。意外と朝もいける。ただしニコチンは強いので酔いに注意。
合う飲み物は、紅茶、コーヒー
1900円/50g(2014)

  1. 生葉芳香 弱←○○○○○★○○○→強
  2. 甘  み 弱←○○★○○○○○○→甘
  3. 味の濃淡 淡←○○★○○○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○○★○○→熟
  5. アロマ  淡←○★○○○○○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○○★○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○★○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←★○○○○○○○○→良
  9. 常喫可能 無←○○○○★○○○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○★○○○→強