パイプスモーキングの醍醐味は様々な個性のtobaccoの味わいが楽しめることです。
あまりに種類が多く、味わいや特徴が忘却の彼方に消えてしまったものも多々あり
自分の備忘録のためにテイスティングノートをつけ始めました。

パイプ葉は個人の嗜好性や飲み物、時間帯、体調、パイプによってもかなり変わります。
なるべく主観に流れないように書くよう注意は払っているつもりですが、あくまでも参考程度にされてください。お役に立てれば幸いです。
ついでにシガーやRYO、ウイスキーについても少し触れています。

2014年7月6日日曜日

tobaccoの薬理作用に関するメモ(4)

4. ヤニクラと一酸化炭素

喫煙自体、積極的に勧める気はありませんが、もしも今、どうしてもタバコを始めたいと言う人がいたら、こう言います。
「パイプかシガーにしたほうがいいですよ。」
まあ、どっちにしたって身体にいいとかそんなことはないし嗜好品ですから無理強いはしませんが。

紙巻きタバコを喫した時と、パイプorシガーの時は、明らかに身体的反応が違うのです。

例えばパイプを喫している最中は、ちょうどお酒を飲んだ時のように軽い酩酊感があります。頭はハッキリしています。先述した通り瞑想のような状態です。

紙巻きの場合は、喫している途中からなんとなく頭の芯がぼんやりしてきます。そして喫煙後しばらくそれが続きます。

「ヤニクラ」という言葉があります。ニコチンが強すぎて一時的にニコチン中毒を起こして、目眩や吐き気を催すことを指して言います。
紙巻きタバコの場合、肺喫煙のためにニコチン摂取を無意識にコントロールしにくくなり、急激に血中濃度があがるために特に吸い始めて間もない人はそうなる傾向があります。

でも、ヤニクラって、ニコチンだけなのだろうか?と思います。
どうも生まれて初めてタバコを吸った時のあの目眩と、吸いすぎて起きる気持ち悪さは、別物のような気がするぞと。

一酸化炭素。

紙巻きを肺喫煙していた頃、友人達と徹夜で麻雀をしたり飲みに行くとつい本数が増え、そのたびに体調を崩していました。吐き気こそありませんが、頭痛や肩こり、関節痛まで起こしていました。
私は元々麻雀は弱い方ではないのですが、前半一人勝ちしておきながら、長期戦になると後半で大負けするクセがありました。粘りの問題もありますがやはりタバコの煙にまみれているうちにどうしてもカンが鈍ってくるのははっきりしていました。
初めはこれを、ヤニクラ、つまりニコチン摂取のし過ぎだと考えていました。

ところがパイプを始めてすぐに、それがニコチンのせいではないと考えるようになりました。パイプではどんなに量が増えても、極端な話一日中咥えていても全く体調に変化がないのです。

余談ですが、その後麻雀から遠ざかり、タバコもすっかりやめてしばらく経った頃、誘われてしばらくぶりに麻雀をしてみたら半荘4回全て一人勝ちでした。タバコは麻雀にはよくないですね!

「目眩」「吐き気」は急性ニコチン中毒の典型的な症状ですが、もしも「頭の芯がぼんやりする」「肩こり」「頭痛」「関節痛」が出てきたら、明らかに一酸化炭素と酸欠のせいです。

もちろんパイプの葉が一酸化炭素を出してないと言うつもりはありません。
物が燃える時は必ず一酸化炭素を出します。
しかし紙巻きタバコの紙や葉が燃焼時に出す一酸化炭素は、tobaccoの葉自体が出す一酸化炭素に較べて桁外れに多いのです。
そして一酸化炭素は例外なく肺から吸収されます。

一酸化炭素は、喫煙という行為の中で摂取する物質の中で最も有害性の高い物質です。
「認知症はタバコも酒もやらない人に多い」「ニコチンは認知症を予防するのでは?」という報告や臨床例がある一方で、今だに「喫煙者は認知症になりやすい」という医学的常識が厳然とあり、認知症を発症している人がタバコの火を管理できなくなって怖いという話を聞くことが多いのは、紙巻きタバコの一酸化炭素によってニコチンの薬理が帳消しになっている部分も無視はできません。

ニコチンは血管を広げます。しかし一酸化炭素は血管を収縮させます。この矛盾した影響が身体に大きな負担をかけます。
さらに一酸化炭素は肺で吸収されやすく、血中のヘモグロビンと結合して脳の酸素濃度を下げ、思考力をすっかり下げてしまいます。
これが冒頭で書いた、酩酊とは明らかに違う「頭の芯がぼんやりしてくる」感覚の原因です。
「ぼんやり」の度合いを上から順に並べてみると


  1. 市販の紙巻きタバコの肺喫煙
  2. (RYO)シャグタバコとヘンプペーパーの肺喫煙
  3. 市販の紙巻きタバコの口腔内喫煙
  4. (RYO)シャグタバコとヘンプペーパーの口腔内喫煙
  5. パイプの肺喫煙(通常はやらない)
  6. シガーの口腔内喫煙(肺喫煙はシガーにはありません)
  7. パイプの口腔内喫煙


一酸化炭素を吸いたくなかったら、あるいはヤニクラや頭痛を起こしたくなければ、肺喫煙はやめてなるべく口腔内喫煙で味わえるtobaccoを選ぶことをおすすめします。



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