サミュエル・ガーウィズ 2014 Limited Edition
バージニア、ブラックキャベンディッシュ、ヘーゼルナッツケーシング
原産国:イギリス
サミュエルガーウィスの他の銘柄とは違い、まるで海苔の缶のような入れ物に海苔のように入っていた。
葉様は明るいやや粗めのリボンカットのゴールドタイプのバージニア葉が9割、黒いキャベンディッシュが1割ぐらいのミクスチュア。ややしっとり気味で、圧縮されずにとても柔らかくパッケージされている。
生葉の香りは、ほんのりとチョコレートのような甘い香りがするが、缶ラベルの表記上は「ヘーゼルナッツのフレーバー」とある。tobaccoreviews.comを検索してみるとこの他に「アマレット」「蜂蜜」とある。確かにバージニアからほんのり蜂蜜の甘い香りがする。アマレットはどうだろう。ヘーゼルナッツ+蜂蜜とアマレットの香りはけっこう似ているから僕には判別できなかった。
こんなふうに書くと、コンチネンタルの着香タバコか?と誤解されそうだが、香り自体は柔らかくほのかでイングリッシュミクスチュアの矜持は保っている。
火付きは良好だが、火持ちは開封直後だとミクスチュアとしてはややモイスト過ぎるかもしれない。しばらく室内湿度で馴染ませるが、それでも時々立ち消えする。
おかしいなと思い葉を手にとって調べると、バージニアの方がまるで保湿されたようにしっとりしている。ベタつきはない。ブラックキャベンディッシュの方は乾いて締まっている。一晩かけてゆっくり脱湿させると火持ちも改善された。
カットが大きめなので緩めに詰めて燃焼に合わせてタンピングで詰めながらゆっくりと燻らせると良い。アロマを楽しむには吹かし気味がいいが、スロースモーキングに徹すれば煙量はそう多くはない。
序盤、とてもスムーズで柔らかい。アロマ、喫味ともマイルドスイート。ほんのりナッティなアロマ、バージニアの自然な甘さと程よい青臭さ。ニコチン感はやや強い。
中盤、スロースモーキングを心がけていると時折隠れていたチョコレートのような甘み。やや吹かすと木の実、干し草のようなアロマが頭をもたげてくる。。日本のピースのような味わいもある。クライマックスは長い。
終盤は次第に舌を刺す若さが出てくる。やがて黒土の香り。燃焼がやや速めになりフィニッシュ。
これはゴールドバージニアを味わうtobaccoだ。
普段なかなかこんなにふんだんにゴールドバージニアを使ったミクスチュアにはお目にかかれない。
傾向としては同社のグラウスムーア(GrouseMoor)に近い。
ゴールデングロウ(GoldenGlow)もゴールドバージニアだがこちらはフレーク。
もちろんフレーバーは三者全く異なるが、ゴールドバージニアを主体にし極力着香を抑えつつキャベンディッシュで引き立たたせるコンセプトは似ている。
こういった高品質のバージニアを味わえるという事自体が贅沢だ。
ゴールドバージニアはサミュエルガーウィスの特徴の一つで、コーヒーのローストで言うところの「浅煎り」。
ところが浅煎りの葉は品質が良くないと欠点ばかりが目立つ。
だからたいていの場合、あまり良いとは言えない品質をごまかすために着香着味がされているのが殆どだし、そうでない場合でも、どこまでも続く単調な甘み、強いニコチン感、終盤の速さ、そして青臭いルームノートと舌荒れに飽き飽きしてくることが多い。体調にもよるけれど。
しかし2014LimitedEditionのバージニアの品質は同社がかなりの自信を持っていると分かる。単調さは抑えられ、自然な甘みとアロマを感じることができる。そのためのブラックキャベンディッシュの配合とケーシングなんだなと分かる。それは実に節度あるもので、やはりイングリッシュミクスチュアは良いなと改めて思わせてくれる。ゆっくり燃えてくれる点も美点のひとつ。
3500円/100gというサミュエルガーウィスの中では少しお得感のあるtobaccoだ。
舌荒れの危険は大、努めてゆっくり燻らせる必要あり。
ニコチン酔いの危険性も少ないとは言えない。
喫味的には朝からいけるのだが、空腹時は避けたい。
葉の性格としての常喫性は高いが限定品のため入手次第になる。
合う飲み物は紅茶、水、ワイン、ビール。
- 生葉芳香 弱←○○○○○★○○○→強
- 甘 み 少←○○○○○★○○○→多
- 味の濃淡 淡←○○○○★○○○○→濃
- 熟成感 若←○○○○○★○○○→熟
- アロマ 淡←○○○○○○★○○→濃
- 満喫感 弱←○○○○○○★○○→強
- 舌アレ度 弱←○○○○○○○★○→強
- 火持ち度 悪←○○○○○★○○○→良
- 常 喫 無←○○○○★○○○○→有
- 個 性 弱←○○○○○★○○○→強
3500円/100g(2014)