パイプスモーキングの醍醐味は様々な個性のtobaccoの味わいが楽しめることです。
あまりに種類が多く、味わいや特徴が忘却の彼方に消えてしまったものも多々あり
自分の備忘録のためにテイスティングノートをつけ始めました。

パイプ葉は個人の嗜好性や飲み物、時間帯、体調、パイプによってもかなり変わります。
なるべく主観に流れないように書くよう注意は払っているつもりですが、あくまでも参考程度にされてください。お役に立てれば幸いです。
ついでにシガーやRYO、ウイスキーについても少し触れています。

2014年11月13日木曜日

AVO Serie XO Quartetto Notturno Tubos



アヴォ・セリエ・XO・カルテット・ノットルノ・チュボス
フィラー:ドミニカ
ラッパー:ドミニカ
製造国:ドミニカ共和国
サイズ:127×17(ペティコロナ)
種別:プレミアムシガー
喫煙時間:約40分

しばらく前にシガーショップで「非ハバナで、モンテ・クリストの3番の代わりになるものでデイリーになりそうなもの」という注文を言ったら薦められたもの。

XO Quartetto Notturno のXOはブランデーの格付けと同じ。ダヴィドフ系列の常でワインやブランデーに倣った商品区分。
Quartetto Notturnoはイタリア語で音楽用語、直訳すればカルテットによるノクターン、つまり四重奏による夜想曲のこと。これもイメージ戦略が上手なダヴィドフらしいし、AVOの創始者であるアヴォ・ウヴェジアン(アメリカのジャズ・ピアニスト)とどことなくつながりがあるようなないような、ぼんやりと想像を助けてくれるような名前だ。ジャズのカルテットによるラブソングか、弦楽四重奏による夜想曲かは分からないけれど。
Tubosはチューブのことアルミ製のチューブケース付きで買う事ができ、このまま持ち歩くことができるようになっている。

数ヶ月の放置(一応保湿管理はしていたので熟成は少しは進んだかも)の後、火を灯す。
序盤、吸いがやや固い。一度パンチャーで開けた穴をカッターで切り直す。
着火直後から品の良いマイルドな喫味、ほんのり甘みはあるがそれほど強くはない。スムース&ライト。ふくよかな熟成香を伴うやさしいアロマ。

中盤、アロマ、喫味ともに穏やかで上品、癖がない。浅煎りの美味いブラジルコーヒーのブラックのような爽やかな苦味。途中、何度かナッツを感じるがクライマックスというほどでなく「来るかな?」と思うと引っ込んでしまう。そのまま淡々と進んでいく。

終盤、スパイシーさと苦味が少しずつ増しては来るが荒々しさやキックは全くない。終始抑制が効いていて穏やかだ。ラッパーの温度が上がりエグみを感じたところで終了。アロマは最後の最後まで穏やかな熟成香を漂わせ名残惜しい。

総じてパンチに欠け印象が薄い。40分という時間もやや短いのだがどことなく物足りない。ただしアロマは素晴らしいものを持っている。Quartetto Notturnoの名の通りどこまでも優しく、気がつけばいつのまにか音楽が終わっている、もう少し続けばいいのに……そんな感じにさせてくれるシガーだった。

価格の面からもかなり良心的なシガーだと思う。もちろんモンテ・クリストには比べるべくもないが、コストパフォーマンスを考えた時には損はしないと思う。
さほどのパンチを求めず、時間があまりない時やムードやアロマを楽しみたい時にいい。
合う飲み物はウイスキー水割り。

価格:1200円/本(2014)

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