でもワインはパイプとはあんまり相性は良くないのです。
料理と同じで、やはりワインも美味しくいただくには煙関係は少し断つ必要があります。それで15年間の禁煙期間、もっぱらワインを楽しんできました。
その点、ウイスキーはとてもパイプ(やシガー)と相性が良く、パイプを復活してからウイスキーを飲む機会も自然と多くなりました。
折しもNHKの朝の連続ドラマ「マッサン」の放送や、サントリー山崎シェリーカスク12年(2013)が英雑誌主宰の大会(ワールドウイスキーバイブル2015)で世界一になった影響で、ウイスキーがとても人気だそうです。
「マッサン」はニッカの創立者にして日本のウイスキーの父、竹鶴政孝と竹鶴リタ夫人をモデルにした話です。
学生の頃、J.W.ニコルの文章やお酒の辞典を通じて竹鶴政孝の名前やニッカのウイスキーづくりの哲学に触れて以来のニッカファンで、マッサンも楽しく見ています。
ところで僕が初めてウイスキーに触れた頃はサントリーオールドとスーパーニッカ全盛の頃で、本格的なシングルモルトの山崎が出始めの頃。しかし当時のオールドやスーパーニッカは高級酒、山崎に至ってはもはや無縁の世界、学生にとってはサントリーホワイトやキリンNEWSなんていうのがもっぱらでした。
もっともそれらの安価なウイスキー()は水割りにして辛うじて飲めるようなものでお世辞にも美味いとは言い難いものでした。これでウイスキー嫌いになってしまう友人もけっこういました。
僕が初めてウイスキーをはっきりと美味いと認識したのは「カティ・サーク」というブレンデッド・スコッチでした。
このウイスキーはとてもスムーズで品の良いお酒で、初めて口にした時はなんと美味い酒なんだと感動したものです。
マイナス10度を下回る冬の厳しい盛岡での生活、寝る前にはこれをストレートであおってから眠りに就いたのを今でも覚えています。
現在のカティサークはやや味が落ちたと言われていますが、それでもウイスキーが初めての人におすすめしたい、素晴らしいウイスキーだと思います。
カティ・サークでウイスキーの味を覚えた僕は、その後学生の身分でも買える手頃な値段のウイスキーを探し続け(当時は輸入酒と国産酒の価格差が倍以上あったため)、「ハイニッカ」「ブラックニッカ」そして「ピュアモルト」と立て続けにニッカのウイスキーにハマってゆきました。
Japanese Whiskyはその頃に比べたら本当に美味くなりました。これは日本酒にも焼酎にも、そしてもちろん本場のスコッチにも言えることなのですが、銘柄は同じでも30年前とはまるで別物のウイスキーも少なくありません。
中でもニッカやサントリーのピュアモルト群は、本場のスコッチモルトにひけをとらないほどの深い味わいと個性を持つようになりました。
ワインもウイスキーも好きですが、詳しい訳でもなく細かいテイスティングやソムリエを気取ったようなことには興味はありません。
ただパイプ葉の事についてあれやこれや書くようになって以来、お酒についてもせっかく飲んで美味しかった記憶をただ消えるに任せるのが惜しく、文章にして残しておきたくなりました。
そんな訳でパイプtobaccoのレビューに紛らせながら、飲んだお酒についてもウイスキーを中心に少しずつ書いてみようと思います。
さほど珍しい(高い)お酒には巡りあう事もないかもしれません。
それほど気の利いたレビューが書けるとも思いません。
まあそれはそれとして思い出と出会いを大切に一期一会を書きたいと考えています。
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