パイプスモーキングの醍醐味は様々な個性のtobaccoの味わいが楽しめることです。
あまりに種類が多く、味わいや特徴が忘却の彼方に消えてしまったものも多々あり
自分の備忘録のためにテイスティングノートをつけ始めました。

パイプ葉は個人の嗜好性や飲み物、時間帯、体調、パイプによってもかなり変わります。
なるべく主観に流れないように書くよう注意は払っているつもりですが、あくまでも参考程度にされてください。お役に立てれば幸いです。
ついでにシガーやRYO、ウイスキーについても少し触れています。

2015年3月2日月曜日

Dunhill Night Cap




ダンヒル・ナイト・キャップ
使用葉:ラタキア、オリエント、ペリク、ヴァージニア
原産国:デンマーク(OEM。ブランドはイギリス)
価格:1,750円/50g(2015)

昔々「パイプ覚えたての半可通はとにかくダンヒルしか認めない。他の英国葉を覚えたての半可通がそれを嗤う」というのをベテランスモーカーが言うのを聞いて、半ば自嘲気味に笑ってしまった事がありました。

さて今の僕はどっちの半可通だろう?と自問自答しつつこの歳になって初体験の(!)NightCapを開封してやはりダンヒルはいい香りだなあ、美味いなあと感心を新たにしました。

ブランクを挟んで長いこと965にお世話になっていますが「OEMになってからのダンヒルは不味い」という評には若干の抵抗感もなきにしもあらず……というのも、他のダンヒルの葉はどうか分かりませんが965を開けるたびにどうも缶かロットかによって味にばらつきがあって、美味い時となんか味気ないなあと感じる缶があるからです。
この辺のばらつきがOEMになってからのダンヒルtobaccoの評判を下げたのではないかなと思うところもあります。

それでもダンヒルのラタキアの芳香はやはり他とはずいぶん違う柔らかくて熟成が渋い、まるで高級な紅茶のような趣があるし、オリエントは鼻腔に都会の大人の香りをまとわり付かせて止まないのは確か。もしかして自社製造していた昔とはヴァージニアやキャベンディッシュの品質は変わったかもしれません。
しかしダンヒルのラタキアやオリエントの風味やブレンドは、独特の品格があります。



ナイトキャップはそんな中でも際立って素晴らしい芳香を持つ葉です。
現在国内で手に入るダンヒルの葉の中で唯一、ペリク配合のミクスチュアで、それが他のミクスチュアとの大きな違いですが、僕はこのナイトキャップの最大の特徴はオリエントとこのペリクのコンビネーションではないかと感じています。

基本はラタキアとヴァージニア、そしてオリエントの典型的なイングリッシュミクスチュアですが、ペリクの独特の熟成香と爽快感が全ての葉の個性を前に前に押出してきます。

特筆すべき点はアロマです。鼻腔に抜ける全ての香りはパイプ葉のお手本のような熟成感、それが終盤に向かってペリクによってまとめられナッツと磨き上げられた家具に触れているような深い満足感を提供してくれています。

「過不足のない」これがダンヒルの持ち味ですが、ナイトキャップは全てが濃厚に、コントラストがくっきりと際立っています。

ダンヒルラインナップ(国内)の中ではロイヤルヨットと並んでこってり感の強い葉ですが、方向性は965やロンドンミクスチュアの上級編といった感じです。
その名の通り、夜、グラスを傾けながらゆっくりと沈思に耽る時にピッタリのtobaccoだと思います。美味いtobaccoです。

舌荒れ、酔いの可能性は中程度、時間帯は夜、合うのはウイスキーなど。

  1. 生葉芳香 弱←○○○○○○★○○→強
  2. 甘  み 弱←○○○○★○○○○→甘
  3. 味の濃淡 淡←○○○○○○★○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○★○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○○★○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○★○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○○★○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○★○→良
  9. 常喫可能 無←○○○○○○○★○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○★○○○→強

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