パイプスモーキングの醍醐味は様々な個性のtobaccoの味わいが楽しめることです。
あまりに種類が多く、味わいや特徴が忘却の彼方に消えてしまったものも多々あり
自分の備忘録のためにテイスティングノートをつけ始めました。

パイプ葉は個人の嗜好性や飲み物、時間帯、体調、パイプによってもかなり変わります。
なるべく主観に流れないように書くよう注意は払っているつもりですが、あくまでも参考程度にされてください。お役に立てれば幸いです。
ついでにシガーやRYO、ウイスキーについても少し触れています。

2015年3月14日土曜日

McClelland Frog Morton





マクレーランド・フロッグ・モートン
使用葉:ラタキア、バージニア
原産国:アメリカ
価格:2500円/50g(2015)

一言で言い表せば、ラタキアのアロマを存分に味わうtobacco……。
いや、もう少し踏み込んだ言い方をすれば、オリエント的なアロマを楽しむtobaccoと言えるでしょう。

ミクスチュアのレシピはラタキアとヴァージニアとなっていますがラタキアの割合がとても多く、葉様はほぼ黒色、時折ダークブラウンのヴァージニアが見え隠れする程度です。
香りはほぼラタキアの薫香、そして微かな酸味を感じます。

さて、この酸味香の正体は一体何から来るのか、実際に燻らせてみるとどうもラタキアだけではないような気がします。
というより、このラタキア、軽い。
そして喫味にラタキアの原材料であるオリエントの名残がかなりある。
(ラタキアはオリエント葉をらくだの糞で燻製したもの)

察するにオリエントの燻製度合いに差があるものをブレンドしているか、あるいはキプロスやシリア(現況では殆どあり得ない)から輸入したラタキアではなく、オリエントをメーカーが独自に燻製しているのでは?と思わせる軽さを感じます。


例えば本場のラタキアが50%も入っていれば、かなり渋くて濃い喫味になります。残り50%にバージニアが使われればバージニアの甘みは十分に出ます。
しかしこのフロッグモートンはあまり甘みを感じず、そして渋みもそれほどではありません。
味はほんのりと爽やかな甘さと、ほぼ全域に渡ってラタキアとオリエントのやや脂っこい、まとわりつくようなアロマのみです。
しかし生のオリエントほどにはしつこくない。
むしろ爽やかな感じさえ受けます。

燻蒸の度合いがコントロールされ、オリエント葉がラタキアに変わってゆくグラデーションをうまく表現しているような喫味に仕上がっています。
生葉の酸味香も、この燻蒸度合いが関係しているように思えます。

オリエントのコクを持ちながら決して胸焼けすることのない軽さを持ち、ラタキアの深みを持ちながら決して渋さに嫌気が差すことのない爽やかさを持っている、そんなtobaccoです。

喫味そのものよりも、煙量をたっぷりめにして、アロマを重点的に味わうといいと思います。パイプtobaccoはシガレットと違い主流煙だけでなく副流煙がとても大切な味の「ファクターとなります。シガレットのように有毒な紙の副流煙ではなく純粋にtobaccoの葉だけが持つ芳醇なアロマを提供してくれるのです。
喫味は軽くアロマは深く。
オリエント重視の葉は喫っているうちにその濃いコクにうんざりしてくることもありますが、この葉はそんなことはありません。

やっぱりオリエントとラタキアのアロマはいいなあ…そう思わせてくれるtobaccoです。
気に入りました。

時間帯は全日、合う飲み物はビール、ウイスキー、水など。
舌焼け、ニコチン酔いの心配は殆どなし。


  1. 生葉芳香 弱←○○○○○○★○○→強
  2. 甘  み 弱←○★○○○○○○○→甘
  3. 味の濃淡 淡←○★○○○○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○○★○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○○○★○→濃
  6. 満喫感  弱←○○★○○○○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○★○○○○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○○★→良
  9. 常喫可能 無←○○○○○○○★○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○★○○○→強

2 件のコメント:

  1. いつも参考にさせていただいております。
    大変勉強になりますのでずーっと続けてください。

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    1. ありがとうございます!励みになります。多忙で更新滞っておりましたが、新しい銘柄もいくつか溜まってきましたので、そろそろ再開できそうです。

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