パイプスモーキングの醍醐味は様々な個性のtobaccoの味わいが楽しめることです。
あまりに種類が多く、味わいや特徴が忘却の彼方に消えてしまったものも多々あり
自分の備忘録のためにテイスティングノートをつけ始めました。

パイプ葉は個人の嗜好性や飲み物、時間帯、体調、パイプによってもかなり変わります。
なるべく主観に流れないように書くよう注意は払っているつもりですが、あくまでも参考程度にされてください。お役に立てれば幸いです。
ついでにシガーやRYO、ウイスキーについても少し触れています。

2017年1月31日火曜日

Peterson Irish Oak



ピーターソン・アイリッシュ・オーク
使用葉:キャベンディッシュ(バーレー)、ペリク、バージニア
ブランド:アイルランド
葉様:リボンカット
価格:1750円/50g(2017)


缶を開けた瞬間、懐かしい匂いがしました。
初めてパイプタバコに触れた時の匂い。
あ、着香。
そんなに強くはないけれど、ダンヒルのロイヤルヨットやスイートダブリンに似ているので、「アプリコットかな?」と思って海外サイトを見てみると、シェリーだそうです。

ついでに「Burley」の文字も。そう、バーレー種。


葉様は細かめのリボンカット。

火付、火持ちは標準的で、乾きすぎず湿りすぎず好感の持てるもの。

僕はバーレーの入ったtobaccoはあまり縁がなくて、その昔、ほんの短期間紙巻きのキャメルを喫っていたことがあるぐらいです。
バーレー種は着香によく使われるため、アメリカのtobaccoには多いのだそうです。
着香されていなくてもバージニアとはちょっと違う、粉っぽい乾いた独特のアロマがあります。
僕の印象では、オリエントに似ていますが、もわっとしたあの感じはありません。
バージニア特有の甘みもありません。

さて、このアイリッシュオークはどうでしょう。

オークと名付けられ、シェリーの着香と聞けば、もう自ずとそのイメージするところは決まっています。

そう、ウイスキーです。

ウイスキーの保存熟成に使われる樽には、昔からシェリー酒を作った後の、中古の樽が使われてきました。

シェリー樽ウイスキーの特徴は、スモーキーさよりもフルーティさ、華やかさを強調した味です。
さらっとしたものから、グレンドロナックのように濃厚でいつまでも後味が残るものまで様々ですが、共通するのはアロマの華やかさです。

さて、アイリッシュオークはどうでしょう。

序盤はとても軽く、さらっとしています。
タバコを喫ってるなあという感じ。
軽い甘さ。

中盤にさしかかると、アロマに独特のニュアンスが出ているのに気が付きます。
オリエントに似た、こっくりとした旨みのある匂いです。
これはペリクとバーレーのコンビネーションでしょう。
これが終盤まで途切れることなく続きます。

ドローより、圧倒的にブローの方が美味い。

アイリッシュ「オーク」なのかどうかはちょっと分かりませんが、とても軽やかでありながら、深い後味の残る不思議な葉です。
甘いバージニアtobaccoが苦手だけれど、バルカンブレンドやオリエントのようなしつこさも嫌だなという向きにはピッタリだと思います。
優しい味わいでありながら、存分に鼻腔をくすぐるバーレーとペリクのハーモニーは絶品です。

煙量は極力少なく、スロースモーキングを心がけると、この葉の良さを存分に味わえることでしょう。

パイプはストレートよりシャンクが下に向いたタイプの方がより味わい深いと思います。というわけで、ピーターソンのパイプに合うのです。









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