ダンヒル・アーリーモーニング・パイプ
バージニア、ラタキア、トルコ葉
製造国:デンマーク(OEM)
葉様はややしっとりしたリボンカット。ツンとした燻製香が鼻に
飛び込んでくるが、同じダンヒルのMyMixture965に比べると格段に優しい。
965との表記上の違いは、キャベンディッシュか単なるバージニアかという違いだが
あまり細かい事は分からない。
喫味は序盤からバージニアそのもののやさしい甘みを味わえる。
ラタキアは引っ込んでいる。
アロマは軽くやや刺激的。
中盤以降は刺激的なアロマが増してくるが、喫味自体は最後まで甘く軽い。ミルキーな感じはない。炭酸飲料のようなキレ。
煙は少なめ、火持ちは良くも悪くもない。
925やロイヤルヨットのような渋みとこってりが絡み合ったアロマを朝から味わうにはやや抵抗がある人向けだ。
でも別に朝限定の葉ということでなく、現代特に日本の標準的な食生活とリズムの中で嗜好の違いによって選択できることはすぐに分かる。
そもそも朝からパイプをくゆらす余裕がある人は現代の世界にそれほど多く存在するとも思えない。一日の締めくくりにパイプにアーリーモーニングを詰めても別にいいと思う。ただ、喫味があっさりしている分、あまり味の濃い料理の後や疲れている時は物足りないかもしれない。ゆっくりスロースモーキングに徹するといい。
パイプ喫煙の所要時間は普通のパイプで一回につきだいたい60分ほどかかる。
マッチは最低でも2本は使用する。
パイプは口元から離して放っておけば火は自然に消える。
詰め方や葉の湿度に問題があると、一所懸命に吸っても火は消える。
ながら吸いの場合にはタンピングの回数も減るから、それだけ火持ちも落ちる。
火持ちを気にしてスパスパやれば舌焼けを起こすしボウルが熱くなってしまうから、冷ますためにやはり火を一旦落とさなければならない。
そうして時間を置いてからまた火をつけてもパイプは美味しく吸うことができる。
だから厳密に言えば、時間的余裕がそれほどなくてもパイプはちゃんと楽しめる。
ただ、そうなってくるとマッチの本数は格段に増える。
もちろん火持ちが良くなくても、マッチの本数が増えても別段気にすることはない。
火持ちは吸い方の習熟よりも、葉の詰め方やどれだけパイプに集中できるかと関係が深い。
そして何よりもロングスモーク自体が楽しいレクリエーションだ。
何度もマッチをすらなくて済むし。
僕が目安としているのは、標準的な19mm径ボウルで約45分。うまくいけば60分を超えるが、45分も保って途中で消えたら残り葉があっても捨てて終了することにしている。
最後の最後まで吸うことを旨としているパイプスモーカーは多いけれど僕はやらない。
最後まで葉を燃やそうとしてボウルの底のほうで火を起こせば確実にボウルを過熱させてしまうし、何しろ苦労の割には味が良くない。それまでの喫味が台無しになってしまうこともある。
葉巻やシガレットなら決して最後まで吸ってはいけないというのは常識だが、パイプと言えども、やはり葉そのものがフィルターとして機能している分を差し引いて考える事は重要なことだと考えている。ほんのひとつまみ分だけど。
ダンヒルを始めとするイギリスブレンドは湿り気が多くて一般にロングスモークは難しいけれど、コツを掴んでしまえば実は舌焼けの危険性が少なく、長時間の喫煙では有利な点が多い。
ずっと咥えていても飽きも少なく、余計な香料や味付けがそれほどされていない分、葉の燃えが素直でタンピングがうまくいく。味も複雑で毎回新たな発見ができる。
アーリーモーニングはそんな葉のひとつ。火持ちも比較的良く甘くあっさりしている分、気軽にロングスモークにチャレンジして喫味の変化を楽しむことができる楽しいtobaccoだと思う。煙は極力少なめに、とにかくスロースモーキングに徹すると爽やかで味を引き出せる。
現行ダンヒルの中では比較的最後の最後まで吸っても味がそれほど落ちない。ただしスペックは高いので慣れてない人は終盤ニコチン酔いに注意。
夕食後〜就寝前にはやや喫味が軽く物足りないかも。
合う飲み物は、コーヒー、水、ミルク、紅茶、日本茶。
1750円/50g(2014)
- 生葉芳香 弱←○○○★○○○○○→強
- 甘 み 弱←○★○○○○○○○→甘
- 味の濃淡 淡←○○★○○○○○○→濃
- 熟成感 若←○○○★○○○○○→熟
- アロマ 淡←○○★○○○○○○→濃
- 満喫感 弱←○○○○○★○○○→強
- 舌アレ度 弱←○○○○○★○○○→強
- 火持ち度 悪←○○○○★○○○○→良
- 常喫可能 無←○○○○○○○★○→有
- 個 性 弱←○○★○○○○○○→強
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