バージニア(無着香)
葉巻に比べると、パイプの味わいというのはややドンクサイところがあるなあと、常々思っている。
葉巻はご飯に例えると、コシヒカリ、あきたこまち、ひとめぼれ etc.etc...
品種産地素性の違いは大きい。そして炊き方一つでもう全く違う。と同時にそれを見極めるには感覚器官の微妙なセンサーを動員せざるを得ない。
だけどパイプ葉というのは、その違いがチャーハンかお茶漬けか丼ものか、といった調理法の違いのようなところがある。
逆に言えば、同じものをいつも同じ味わいでという訳にいかない。気候、体調、TPOに左右されたり、コラボするものでまるで違ったり。
夏の暑い日、バテ気味の時に焼き肉丼はキツイけれど、お茶漬けならいける。冷や汁ならなおさら…パイプ葉にはそんなところがある。
だからパイプ葉には絶対的優劣を付けるのはかなり難しい。ワインや葉巻のような絶対的テイスティングレビューがどうしてもパイプには似合わない。というか、しないほうがいい。レビューも十人十色だ。鍋の後の雑炊に入れる卵はかき混ぜるかそのままか、そのぐらいどうでもいいような評価の個人差が出る。それでいいと思っている。
バージニアNo.1は、そんなパイプタバコの中でも珍しく「コシヒカリ一番」とわざわざ銘打っている葉。
着香もキャベンディッシュもされていない、おそらく最低限の熟成のみで加圧〜カットされている。白飯でお召し上がり下さいというところか。
葉様は圧縮した後のフレークカットで湿度はそこそこ。もみほぐしせず、そのままの状態で丁寧に(かつ緩めに)詰めていった方が火持ちも味も良い。火持ちのコツは縦に詰めていくことと空気の通りを通常より良くした状態にすること。
できれば少し加湿または保湿した状態で保管して、取り出した時にもみほぐす代わりに室温で数分自然乾燥させつつ火をつけるといい。火持ちはとても良い。
うまく吸えれば最初からジェラートかシャーベットのような軽い甘みが口の中に広がる。煙量はやや多めでアロマは小さいが若々しい。
ルームノートも若く熟成されていないタバコの匂い。
舌焼けの可能性は高いので、努めてスローバーニングを心がける必要あり。
中盤以降、アロマがややこってりしたものに変化していく。
味は単調で、穏やかな甘味が続く。
飽きは少ない。
シガレットからパイプに移行する人にとっては入りやすい葉だと思う。
ただし熟成が足りないのかニコチンがやや多めの感。人によっては酔いがあるかも。
総じて爽やかな葉。はっきりした味気は少ないが、日本的な淡白さと甘さ。
シャグでいうところのアメリカンスピリット、特にペリクに似ている。
もみほぐしが要らないのも気軽。
ボウルの大きさは問わない。
朝〜昼食後に良い。逆に夜には合わない。
合う飲み物は、コーヒー、紅茶、水。
1230円/50g(2014年)
- 生葉芳香 弱←★○○○○○○○○→強
- 甘 み 弱←○○○○○★○○○→甘
- 味の濃淡 淡←○○★○○○○○○→濃
- 熟成感 若←★○○○○○○○○→熟
- アロマ 淡←○★○○○○○○○→濃
- 満喫感 弱←○○○○○○○★○→強
- 舌アレ度 弱←○○○○○○★○○→強
- 火持ち度 悪←○○○○○★○○○→良
- 常喫可能 無←○○○○○○★○○→有
- 個 性 弱←○○★○○○○○○→強
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